知らないと怖い10代の「摂食障害」の危険性 子どもの小さなサインも見逃さないで
こうした婦人科系の症状は、通常は正常な食生活を送って体重が戻れば改善されるが、摂食障害の影響の中には、特に長く続いた場合に深刻かつ長期的な健康被害を生じさせるものもある。
その1つが、骨の成長にとって重要な時期に骨密度が十分増えず、生涯にわたって骨折のリスクが高まってしまうことだ。
また、過食症の人がしがちな頻繁な自己嘔吐によって、上部消化管や唾液腺のがんにつながる問題が起きることもある。
親や家族、友人の役割は?
シアトル小児病院の小児・思春期婦人科の医師で、論文の共同執筆者であるアン・マリー・エイミーズ・オルシュレイガーは、多くの若者が「自分の摂食障害が長期にわたる影響を及ぼしかねないことを認識していない」と言う。「思春期に骨密度を貯蓄することで、生涯にわたって骨の強さを支える」
摂食障害を克服するには、身体的な治療と精神的な治療の両方が必要になることが少なくない。基礎疾患の治療を行う前に、病状を安定させるために即入院が必要な場合もある。
だが最初のステップは、摂食障害の可能性を認識することだ。ACOGの委員会は医師が患者に対して、自分の体重についてどう思うか、どれくらい食べ、運動しているかを尋ね、その後、適切な診察と臨床検査をするよう提言している。
少女や少年の摂食障害を認識し、治療を受けさせるには、親やその他の家族、友人が重要な役割を担う。ファミリーインスティチュートは、「不健康な食に関する行動は親に気づかれない可能性がある」と指摘し、注視すべきサインとして以下を挙げている。
●ほかの食べ物に置き換えず、制限する食べ物の種類を増やす
「子どもたちは健康的なものを食べたいと言い、甘いものを排除し、次に炭水化物、その次に脂肪分を排除し、すぐに食べるものが残り少なくなる」と、ファミリーインスティチュートは指摘する。