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医者と患者が「ガッツリすれ違う」根本理由 大竹文雄×石川善樹「行動経済学の力」対談

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  • 大竹 文雄 大阪大学感染症総合教育研究拠点特任教授
  • 石川 善樹 予防医学研究者
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石川:これからはどんどんデジタルの世界になっていきますから、どんなタイプかわかりやすくなってくるでしょうね。

女性医師の患者のほうが死亡率が低い

大竹:医療者に行動経済学的なバイアスがあるということも知っていただきたいと思います。「なぜ医師の診療パターンに違いがあるのか」の章では、医師の判断は必ずしも合理的ではなく、診療パターンにばらつきがあることを解説しています。

なかでも津川友介先生が、アメリカのデータを使って、内科医の患者さんの死亡率に男女差があるかどうかを調べた研究は興味深いものでした。

石川:世界的に有名になった研究ですよね。

大竹:女性医師の患者さんのほうが死亡率は低いという結果でした。過去の研究報告によると、女性医師のほうが男性医師よりもガイドラインに沿った治療を行い、より患者中心の医療を提供しているといいます。

最近、某医大で女子受験生の点数を一律に減点していたことが発覚しましたが、タイムリーな研究ですね。

これまで主な章の概要を紹介しましたが、本書を読んでみて石川さんの感想はいかがでしょうか。

石川:私の感想は、1冊で3度おいしいみたいな本(笑)。というのも、会話例で医師と患者さんのすれ違いがわかり、その後の解説で理屈がわかる。さらに、解決策もわかる。

行動経済学が医療現場にアドバイスできることは、たくさんあると思いますが、逆に、医療現場から行動経済学にフィードバックできることってありますか?

大竹:行動経済学では、人はこういうときにこんなことをしやすいという、多くの人に当てはまる傾向について、いくつかの原則はわかっています。しかし、実際にどのナッジがより有効なのかは、タイミング、文化、状況によって異なるので、やってみないとわからないことが多いのが現状です。

本書のプロジェクトでは、高齢者ほどバイアスが大きいこと、乳がん検診では人によって効果的なメッセージは異なることがわかりました。医療現場における多くの事例、応用を通じて、逆に行動経済学の知見が広がっていくことを期待しています。

(構成:大内ゆみ)

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