病気が早く治る患者はいったい何が違うのか よい病院を見分けるためのポイントとは?

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心がけが良い患者さんのほうが治る可能性が高くなると酒向医師は言います(写真:kokoroyuki/iStock)
良い医療や良い治療を患者が見分けるにはどうすればよいのでしょうか? 『患者の心がけ 早く治る人は何が違う?』を著した脳リハビリ医の酒向正春氏が解説します。

 

同じ病気にかかったふたりの患者さんがいるとして、「それぞれの心がけ次第で、病気が治る、治らない、という運命の分かれ道はありますか?」と聞かれたら、筆者は「あります」と答えます。

「治る、治らない」の違いは、実は急性期医療において最もはっきりと分かれます。もちろん病気そのものの深刻さによりますが、同じ程度であれば、どこまで治すことができて、ここまでしか治らないということは、担当する先生の腕にもよるわけです。だからこそ、どの先生に当たるのか? ということが非常に大事になってきます。

しかし、良い先生に診てもらったから必ず治るということではありません。ふたりの患者さんのうち、心がけが良い患者さんのほうが治る可能性は高くなり、そうではない患者さんは可能性が低くなります。

どのような心がけが大切なのか

たとえば病気によって障害が出たような場合、どのくらい回復させられるか、というのは、患者さん自身が「回復したい」という意思を持っているかどうか、ということが何よりも大切なのです。

いくら良い先生のもとで治療を受けることができても、患者さんに「良くなりたい」という気持ちがあるかどうかで結果は変わります。極端に言えば、患者さんが「治したい」と思わなければ、そこで全てが終わってしまう可能性もあります。

その医師を信頼しているか、という点も重要です。「担当の医師を信じることができない」「医師に任せる気持ちになれない」という場合には、治療もうまくいきません。

患者さん本人が「病気を治したい」と本気で思い、かつ医師を信頼しているということが決め手になるのです。したがって、「任せる気持ち」になれる病院・医師・医療チームを選ぶことが、「心がけ」の第一歩です。

さらに、患者さんの退院後の人生を考えると、本人だけでなく家族も心からそれを願っているか、ということも大切です。家族の支えが回復への大きな原動力になります。すなわち、治療チームに患者さんと家族が一緒に参加して、初めてチーム医療になります。

筆者は脳外科医からリハビリ医に転向したひとりの医師として、急性期病院、リハビリ病院、そして、慢性期病院のさまざまな現場を見てきました。その中で、病院という組織には、どうしてもやる気があるところと、そうではないところの格差が生まれてしまう、ということを実感しています。

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