病気が早く治る患者はいったい何が違うのか よい病院を見分けるためのポイントとは?
同じ病気にかかったふたりの患者さんがいるとして、「それぞれの心がけ次第で、病気が治る、治らない、という運命の分かれ道はありますか?」と聞かれたら、筆者は「あります」と答えます。
「治る、治らない」の違いは、実は急性期医療において最もはっきりと分かれます。もちろん病気そのものの深刻さによりますが、同じ程度であれば、どこまで治すことができて、ここまでしか治らないということは、担当する先生の腕にもよるわけです。だからこそ、どの先生に当たるのか? ということが非常に大事になってきます。
しかし、良い先生に診てもらったから必ず治るということではありません。ふたりの患者さんのうち、心がけが良い患者さんのほうが治る可能性は高くなり、そうではない患者さんは可能性が低くなります。
どのような心がけが大切なのか
たとえば病気によって障害が出たような場合、どのくらい回復させられるか、というのは、患者さん自身が「回復したい」という意思を持っているかどうか、ということが何よりも大切なのです。
いくら良い先生のもとで治療を受けることができても、患者さんに「良くなりたい」という気持ちがあるかどうかで結果は変わります。極端に言えば、患者さんが「治したい」と思わなければ、そこで全てが終わってしまう可能性もあります。
その医師を信頼しているか、という点も重要です。「担当の医師を信じることができない」「医師に任せる気持ちになれない」という場合には、治療もうまくいきません。
患者さん本人が「病気を治したい」と本気で思い、かつ医師を信頼しているということが決め手になるのです。したがって、「任せる気持ち」になれる病院・医師・医療チームを選ぶことが、「心がけ」の第一歩です。
さらに、患者さんの退院後の人生を考えると、本人だけでなく家族も心からそれを願っているか、ということも大切です。家族の支えが回復への大きな原動力になります。すなわち、治療チームに患者さんと家族が一緒に参加して、初めてチーム医療になります。
筆者は脳外科医からリハビリ医に転向したひとりの医師として、急性期病院、リハビリ病院、そして、慢性期病院のさまざまな現場を見てきました。その中で、病院という組織には、どうしてもやる気があるところと、そうではないところの格差が生まれてしまう、ということを実感しています。
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