「宮川選手=正義」「塚原夫妻=悪」はまだ早い スポーツ界に連鎖する「勇気の告発リレー」
日本体操協会に限らずどんな組織でも、年齢差の大きい両者のやり取りには、ギャップを埋める間の年齢層が欠かせません。宮川選手と塚原夫妻の間にあたる30代、40代、50代あたりの年齢層が機能していれば、ここまで問題は大きくならなかったでしょうし、このような年齢層の補完性はビジネスシーンにおいても重要です。
たとえば、ある会社のトップが60代の場合、30代、40代、50代の社員が機能しなければ、20代の若手は不満をため込みやすく、業務効率が上がらないばかりか、辞職率もアップ。逆に、その中間層に、個人よりも組織を優先させる社員が多いほど、経営は安定するでしょう。
日本スポーツ界の未来は明るい
前述したように、「現役アスリートが勇気を持って立ち上がる」という現象が連鎖する日本スポーツ界の未来は明るいのではないでしょうか。もちろん、まだまだ改善すべきところは多く、苦労しているアスリートは多いでしょうが、この先、宮川選手たちが指導者になったとき、日本スポーツ界は現在よりも健全で強くなっている気がするのです。
それはスポーツを見る側のわれわれも同様。2018年の現在は、「18歳の女の子にここまでの責任を背負わせてしまった」と憐れむ人が多数派ですが、何年か先には「年齢は関係ない。トップアスリートならこれくらい堂々としているのが普通」という見方に変わっているかもしれません。
余談ですが、宮川選手は今回の会見後に、「オリンピックの緊張と比べたら全然大丈夫だった」と言っていたそうです。そもそも、幼いころから世界を意識して戦ってきたトップアスリートにわれわれのスタンダードを当てはめて考えることが間違っているのでしょう。
つまり、われわれが宮川選手に対して「18歳の女の子にかわいそう」ではなく、「すでに年齢を超えたメンタルの持ち主だから、その言葉は重く受け止めよう」と思えるようになったら、日本はスポーツ大国と言えるのではないでしょうか。
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