武蔵小杉駅、タワマン以外にもある混雑原因

南武線沿線が発展、横須賀線に乗り換え殺到

さて、ここまでJR東日本がホーム増設に踏み切る武蔵小杉駅の横須賀線・湘南新宿ラインについての旅客流動を見てきた。

首都圏トップクラスの混雑は、旅客の安全・円滑な移動のためにも解消したいというのがJR東日本としても本音と思われる。それは臨時改札口の設置や今回のホーム増設から見ても明らかだ。JR東日本の川野邊副社長も「あの状態でよしとは思っていない。将来に向けて検討していく。ホームの混雑緩和に取り組む」とコメントしており、上層部も問題は認識している。

混雑緩和に最も有効なのは本数増だが、現在武蔵小杉駅の横須賀線ホームにやってくるピーク時(7時30分~8時30分)の本数は横須賀線9本、成田エクスプレス1本、湘南新宿ライン6本、湘南ライナー2本、おはようライナー新宿1本の19本。平均して3分9秒に1本だ。

混雑緩和への道は険しい

JR南武線や東急東横線を見れば一見増発余地はありそうに思うが、「編成は15両で限界、増発余地はない」(川野邊副社長)という。確かに信号の設置間隔からいってもかなり詰めているように見える。また西大井―品川間には平面交差の蛇窪信号所があり、さまざまな行先の列車が行き交うことを考えれば、現状の設備で増発余地を作るのは難しいと言えるだろう。

つまり、横須賀線の下りホームの増設、新改札口の設置というのは現状すぐに打てる最善の手ということなのだ。もちろん、旅客の安全確保には間違いなくつながるだろう。それでも今後さらなる旅客増が見込まれることを考えると、やはりホームや列車の混雑をなるべく解消するために横須賀線・湘南新宿ラインを利用しない別ルートの利用を促すことや、横須賀線の設備改良工事で増発余地を確保することも検討していく必要があるように思える。

武蔵小杉駅周辺の民間の手による再開発と川崎市内の面的な人口増加で年々厳しくなる横須賀線・湘南新宿ラインの混雑。その緩和への道は険しく、遠いと言えそうだ。

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