テスラCEOが突然非公開化を取り消した事情

5人の人物が明かしたマスク氏の意図

非公開化するとツイートしたわずか3週間後に、非公開化を撤回すると発表したイーロン・マスクCEO。いったい何があったのでしょうか(写真:Toru Hanai/Reuters)

テスラCEOのイーロン・マスクは、テスラ株の「非公開化を検討している」と8月7日にツイッターで宣言し、取締役会に不意打ちを食らわせた。それからわずか3週間後、今度は「気が変わった」と取締役会に伝えた。やっぱり非公開化はやめる、ということだ。

この劇的な方向転換は、マスクが取締役会と話し合った翌日の8月24日に、同社のブログで発表された。マスクはこれまでにも人騒がせな言動でウォール街の大手投資銀行を揺るがし、規制当局にも調査され、リーダーシップにも疑問が持たれてきたが、今度もまた世間を騒がせた。

自分の考えが浅かったのだと気づいた

この件に詳しい5人の人物によると、マスクは自分の考えが浅かったと気づいたのだという。非公開化によって解決される問題はあるものの、新たな問題も生じてくると認識したのだ。

彼が懸念したのは、従来型の自動車メーカーやサウジアラビアなどの投資家が、同社の経営に影響力を持ちすぎるようになることだった。また、非公開株を所有できない個人投資家を締め出すことにもなりそうだった。

同社は電気自動車が未来の一般的な交通手段になることに賭け、そのビジョンのおかげで時価総額が自動車メーカーの中で最大にもなった。しかし、550億ドルの市場価値をもってしても、多くの若い企業に起こりがちな問題にぶつかっていた。たとえば、会社の経営が株主に振り回されることなどである。

マスクの衝動的な行動が株式市場にすぐに影響することもあり、マスク自身にも厳しい視線が注がれてきた。

イェール大学経営大学院のジェフリー・ソネンフェルド教授は、「テスラの投資家が知っておかなければならないのは、同社のCEOがパニック状態であり、一貫性がなく、おそらくは自己破壊的な人物であるということだ」と言う。「彼ほど混乱した、また混乱を招くCEOはこれまでに存在しなかった」。

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