テスラCEOが突然非公開化を取り消した事情 5人の人物が明かしたマスク氏の意図
ブラックロックやフィディリティなど、テスラ株を所有するほかの機関投資家でも状況はおそらく同じだった。またマスクは、多くの個人投資家からも、株式公開を維持してほしいとの声を聞いた。23日には、小口の投資家が公開書簡を発表し、テスラ株を非公開化しないようマスクに懇願した。
多くの個人投資家は規制によって非公開株に投資ができないので、こうした願いは注目に値するものだった。
会議での突然の発表
関係者らによると、23日の朝、マスクとテスラの取締役会は、同社のカリフォルニア州フリーモントにある工場で会議を開いた。非公開化についてアドバイスを行っていた、ゴールドマン・サックスと未公開株投資会社のシルバー・レイクの代表も同席していた。
シルバー・レイクの代表がプレゼンテーションを行い、テスラ株非公開化のプロセスを取り仕切ることへの自信を表明した。非公開化には240億ドル以上の資金が必要になる可能性があった。その後、シルバー・レイクとゴールドマン・サックスの代表は退席し、マスクが話を進める段となった。
しかし、非公開化に向けてどれほど資金を確保しているかを話す代わりに、マスクは非公開化案を撤回した。非公開化が同社にとって最善の道だとはもはや考えておらず、同社の株式の買い取りを進めるつもりもなくなったのだ。
彼は取締役会に対して、非公開化は多くの混乱を引き起こし、大手機関投資家はあまり協力できず、小口の投資家は簡単には投資に加われないだろうと話した。
取締役の中には、マスクのツイッターの使い方や突飛な行動に懸念を示していた人もいた。しかし、彼らはマスクの意向を支持した。
(執筆:David Gelles、翻訳:東方雅美)
(C)2018 New York Times News Service
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