サッポロ、「ビールもコーヒーも赤字」の深刻 稼ぐのは不動産のみ、どう生き残るのか

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売上高に占める比率は数パーセントにすぎないが、2017年度にグループ全体の営業利益128億円のうち、103億円を稼ぎ出した(全社費用は考慮せず)。

同業他社からは、こうした収益構造から「『サッポロビール』ではなく『サッポロビル』」と揶揄されることもあるほど。サッポロ社員が自虐的に自らそう呼ぶようなことも度々ある。

目立つサッポロの独り負け

ただ、国内のビール類市場全体が縮小する中で環境が厳しいのは同業他社も同じこと。その中でもアサヒグループホールディングスはビール類販売減少を、マーケティングコストの削減や飲料製品の内製化で相殺。キリンホールディングスは逆に、飲料部門の落ち込みを新ジャンルの好調で補うなど、サッポロの独り負けが目立つ。

サッポロは下期以降、ビールでは販売数量のうち6割を占める「黒ラベル」の販促を引き続き強化していくとしている。期間限定イベントを多数開催し、消費者との接点拡大を図る。数年前から行っているこうした取り組みは実際に功を奏しており、西日本を中心に同商品の缶の販売数量は2017年度まで2年連続で2ケタ成長した。「ヱビス」の販売減を補っていく狙いだ。

飲料では、競争が激化しているコーヒー分野よりも、商品にポッカサッポロの独自色が強いレモン飲料に注力する。レモン摂取による健康効果の訴求などで、消費者の間に広がる健康志向を取り込んでいきたい考えだ。

サッポロにとって書き入れ時の夏場は全国各地で記録的な猛暑が続くなど、追い風も吹く。下期にどこまで挽回できるか。地力が試される。

石阪 友貴 東洋経済 記者

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いしざか ともき / Tomoki Ishizaka

早稲田大学政治経済学部卒。2017年に東洋経済新報社入社。食品・飲料業界を担当しジャパニーズウイスキー、加熱式たばこなどを取材。2019年から製薬業界をカバーし「コロナ医療」「製薬大リストラ」「医療テックベンチャー」などの特集を担当。現在は半導体業界を取材中。バイクとボートレース 、深夜ラジオが好き。

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