サッポロ、「ビールもコーヒーも赤字」の深刻 稼ぐのは不動産のみ、どう生き残るのか

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縮小

もう1つ、業績不振の要因となったのがポッカサッポロフード&ビバレッジが担う飲料部門の収益悪化だ。同セグメントは13億円の赤字(前年同期は3億円の赤字)。主力のコーヒー飲料の販売数量が前期比20%減と振るわなかったからだ。

ポッカサッポロが主力としているショート缶コーヒーは容量が180グラムほどと少なく、容器のスチール缶も安価なため、同社に限らず飲料メーカーにとっての利益柱だ。だがコーヒー市場では、缶コーヒーからPETボトルコーヒーへのシフトが急速に進み、ショート缶市場の縮小が続いている。

競合他社が続々とPETボトルコーヒーを市場に投入するのに対し、経営資源が限られるサッポロホールディングスは「競争が熾烈になっている市場に、わざわざ今の時点で飛び込んでいくことはない」(会社側)と静観を続ける。缶コーヒーの主な販路である自動販売機でも「打てる施策は限られる」(同)こともあり、このままではジリ貧だが思ったような手は打てていない。

各セグメントの中で唯一、黒字を確保したのは不動産事業だ。

安定したテナント収入

サッポロホールディングスは、本社が位置している「恵比寿ガーデンプレイス」(東京都渋谷区)や銀座4丁目の交差点に面する「GINZA PLACE」(同中央区)など、都内の一等地に不動産を保有。現在は両施設ともに稼働率は100%に近く、安定したテナント収入を得ている。

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