じわじわ値上げ、銀行ATM手数料はどうなるか

超低金利時代に、ATMはコストの塊

(画像:AERA dot.)

セブン銀行は、セブン-イレブンやイトーヨーカドーなど全国各地の店舗に2万4千台余りのATMを設置。ATM網の厚みは、ゆうちょ銀行に迫る。顧客は店舗で買い物するついでに、お金をおろせる。

セブン銀行の個人口座数は、3月末で182万7千。6年間でほぼ倍増し、10年間で3倍以上に増えた。引き出し手数料は全日、朝7時から夜7時まで無料。収益の9割以上は、提携先の他の銀行がセブン銀行に対して支払う手数料が占めている。

ネット系の銀行は店舗やATMを持たず、顧客は提携先ATMを使う。住宅ローンの申し込みや審査などの各種手続きもネット上での処理が多い。伝統的な銀行のように、高給の行員や店舗維持費が不要なため、コスト競争力が高い。

大手行関係者も一目置く存在

住信SBIネット銀行は、顧客の利用状況に応じて提携先ATMの引き出し手数料が4段階に分かれる。ランクごとに、月2~15回手数料無料。収益源は業界最低水準の金利の住宅ローンなどだ。住宅ローン取扱額は2012年3月に1兆円超だったが、今は4.3兆円を上回る。有力地銀並みに拡大し、大手行関係者も一目置く存在になった。

ローン審査では、AI(人工知能)の活用にいち早く取り組む。口座数は3月末で321万口座に拡大し、この9年間で8倍近くに膨らんだ。

(画像:AERA dot.)

ネット系のソニー銀行も自前のATMがない。セブン銀行とイオン銀行のATMならば、引き出し手数料が無料。ゆうちょ銀行やローソンなどのATMは、月4回無料。収益の柱は住宅ローンや外貨預金だ。口座数は3月末で135万口座と、5年間で47%増えた。

新興銀行は預金通帳がなく、ATMで通帳記入などの余分なコストがかからないことも強みになる。また、国内隅々まで多くの店舗網を持つゆうちょ銀行も、自行のATMから預金を引き出す際の手数料が常に無料で、便利な存在だ。

(文:浅井秀樹)

※週刊朝日 2018年7月13日号

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