清須会議に学ぶ三谷幸喜流の「会議論」 「会議とは相手を説得することだ」

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僕は生放送に乱入するほどの度胸はない

――三谷さんは多くのバラエティ番組に出演するなど、PR活動に積極的なイメージがあります。

もう限界のような気がしています。タレントとしての僕の賞味期限は切れた、もうそろそろいいだろうと。ただ、やはり作ったものを見てもらわないと意味がない。現場でみんながどれだけ頑張って苦労してきたかを、僕は全部知っているわけですから。それで自分ができることがあるなら、何でもやらなきゃいけないと思います。

幸いにもバラエティ番組などから「出ませんか?」とオファーがあったら、やはりそれには応えなければいけないと思います。番組に出演しているのに、「無理やり出たんだ」というような雰囲気を出すのは嫌ですから。出るからにはその番組側が望んでいることをしたい。はたから見ると、楽しくやっているように見えるかもしれないですが、実はすごく大変なんだということは、お伝えしておきたいなと思います。

――すごく楽しそうに見えていました。

そう見えないといけないですからね。もちろん楽しくないわけではないですが、もともと僕はそんな人間じゃないですからね。タレント性もないし、表に出て何かをやるタイプじゃない。ものすごく無理をしていると自分では思っている。よく「めざましテレビ」などで、僕が突然乱入してきた、みたいな演出になっているんですけど、僕は生放送に乱入するほどの度胸はないですから。

(c)2013 フジテレビ 東宝

――ご自身で演出や監督をされていると、相手が何を求めているのか、そういった気持ちがわかるときも多いのではないでしょうか?

そうですね。だから逆にものすごくプレッシャーになる。スタッフや構成作家、演出家はみんな、こういうことを僕に求めているなというのはわかる。しかし僕にその技量がないときにはものすごく困ります。もちろん頑張るんだけど、「本当にごめんね」と。だから一時期、しゃべらなくていいように体を張ったものだけにしてくれということで、壁に上ったり、プールに飛び込んだりしていた時期もあったのですが、さすがに50歳を過ぎて、タレントさんだってそこまで体を張っていないのに、こんな一般の人が体を張るのはどうなんだろうと思って。今は軌道修正をしているところです。

次ページ引き出しはひとつ「人間を描くこと」
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