自動車関連諸税の欠陥を放置していいのか 長く保有すれば増税になる不可思議さ
子供の頃には、誰もが「モノを大切に使いましょう」「困っている人、お年寄りを大切にしましょう」と教えられた。今の自動車税制は、その心を忘れて、道徳に反する制度に陥ってしまった。これを悪法と言わずして何と言ったらいいだろうか。
自動車税/軽自動車税
自動車税と軽自動車税は、自動車を所有していると毎年納める税金だ。小型/普通車の自動車税は、排気量に応じて課税される。
軽自動車税は、自家用軽乗用車の場合、2015年3月31日までに初度届け出された車両は年額7200円だが、4月1日以降は購入後も1万800円になる。届け出された日付が1日遅いと、軽自動車税が継続的に1.5倍に値上げされてしまう。
この差額は、年額1万800円に高まる軽自動車がやがて中古車になった時、先に述べた高齢者の生活を一層困窮させる。新車の時と古い自動車では、同じ年額3600円の増税でも、ユーザーの受け取り方がまったく違うからだ。
そして自動車税と軽自動車税でも、古い車両の増税が行われる。自動車税の場合、初度登録から13年を経過したガソリン車とLPG車、同じく初度登録から11年を経過したディーゼル車は15%の増税だ。
たとえば1.6~2Lエンジンを搭載するガソリン乗用車は、標準税率は年額3万9500円だが、初度登録から13年を経過すると1.15倍の4万5400円になる。軽自動車税は、初度届け出から13年を経過すると20%上乗せされてしまう。
いずれにしても13年を超えた車両は、自動車重量税+自動車税/軽自動車税のダブル増税になるわけだ。
この増税は先に述べた高齢者福祉に逆行するだけでなく、自動車税の趣旨にも反する。「なぜ自動車税はあるのか」という話だ。
自動車税は、固定資産税などと同じ「個別財産税」に分類される。高額な財産に課税される税金だ。
それならば固定資産税と同様、車両価値の評価に基づいて税額を決めねばならない。車両の評価は時間が経過するほど安くなるから、自動車税/軽自動車税も、古い自動車ほど減税されなければ税金の趣旨に合わない。
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