自動車関連諸税の欠陥を放置していいのか

長く保有すれば増税になる不可思議さ

それなのに実際は、流通価値が1万円以下の車両にも、年額数万円に達する財産税を課している。しかも初度登録から13年を超えると増税までされるのだから、激しい矛盾を抱える。

燃料の課税

自動車に関連した税金は燃料にもおよび、これも課税根拠を失った道路特定財源だ。ガソリンの価格にはガソリン税+石油税+消費税が含まれ、ディーゼルエンジンが使う軽油にも、軽油引取税+石油税+消費税が含まれる。

まずはガソリン税を考えたい。ガソリンの本体価格に関係なく、ガソリン税の53.8円、石油税の2.8円が上乗せされる。そこにガソリンの本体価格が加わり、これらの合計額に8%の消費税を課している。つまりガソリン税と石油税にも消費税が課されており、まさに二重課税だ。

最近はガソリン価格が高まったから、レギュラーガソリンが1L当たり150円としても、ガソリン本体の価格はわずか82.29円だ。これに53.8円のガソリン税、2.8円の石油税、11.11円の消費税が加算され、合計150円になる。つまり1L当たり150円の内、45%は税金が占める。

仮にレギュラーガソリン価格が1L当たり130円に下がっても喜べない。ガソリン税と軽油税の合計は56.6円で下がらず、消費税も含まれるから、ガソリン価格の半額以上を税金が占めてしまう。

そして税金を除くと、レギュラーガソリン価格は、ディーゼルの軽油よりも安いのだ。

今はレギュラーガソリンの全国平均が1L当たり150円、軽油は130円になる。130円の軽油に含まれる税額は、軽油引取税が32.1円、石油税が2.8円、消費税が7.25円だから、軽油本体の価格は87.85円だ。1Lが150円で売られるレギュラーガソリンの本体価格は先に述べた82.29円だから、軽油を下まわる。「ガソリンは高く、軽油は安い」というのは税金を含めた話で、燃料本体の価格は逆転しているのだ。

以上のように自動車税制は欠陥だらけだ。

その一方で、自動車取得税と自動車重量税はエコカー減税によって軽減され、自動車税にもグリーン化特例が適用される。内容はどちらも似ており、2020年度燃費基準の達成度合いに応じて、税金を安くする制度だ。

つまり初度登録から13年を経過した車両の増税も含めて、自動車ユーザーに高額な税金を押し付けながら、新車には減税を施して(今は売れ筋車種のほぼすべてがエコカー減税車だ)販売促進に貢献している。

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