知らないのに使っている「キャッシュ」の語源 意外?納得?金融英単語のルーツ
Budget
「Budget(バジェット)」はもう普通に日本語として使われています。「今日はバジェットがタイトだから」などと言っているのを聞いたことがあります。「予算」を意味するこの言葉は、中世フランス語の「bougette」という語に起源をもつそうです。この bougette という語は「皮袋」の意味の bouge という語に縮小辞の -ette がついたものです。この bouge は英語の bag に通じるわけですが、つまりは「予算を組む」とは「袋(財布)の中について考えること」だったわけです。
この bouge の起源をたどっていくとどうやら直接的にはスカンジナビア語 bag に起源を持つようなのですが、いろいろな意味でイタリアの語の borsa、さらにはギリシャ語の 「býrsa(皮、袋)」にまでさかのぼる語と関係がありそうですし、少なくとも混同が起きたようです。
資本と首都が同じ英単語なのはなぜ?
現代イタリア語の borsa という言葉はラテン語の「bursa(ポケット)」が語源で、基本的に「袋」という意味から「バッグ」「奨学金」「株式市場」と3つの意味を覚えておけば用が足ります。英語ではこの形に似た「bursar(会計係)」という語が残っています。また、このイタリア語に対応する古英語の形は現代語の「purse(財布)」になったようです。
さらにフランス語の派生語が会計用語としてほぼそのまま英語に導入されています。「disburse(支出する)」と 「reimburse(弁償、弁済する)」で、接頭辞から考えてみると「財布から出す」と「再び財布に入れる」というニュアンスがくみ取れます。名詞は 「disbursement(支出)」と 「reimbursement(弁償、弁済)」です。フランス語の bourse はイタリア語の borsa と同じ意味をもちますが、こちらのほうは大文字で書くと(Bourse)、特に「パリ証券取引所」を意味します。
Capital
capital というと「資本」あるいは、「首都」の意味が思い出されるのではないでしょうか。この2つの異なった意味は、はたして同じ言葉から発達したのでしょうか? 最近のマスコミでは「譲渡益」を意味する「キャピタル・ゲイン(capital gain)」 という言葉をよく耳にしますね。
この言葉はラテン語 「capus(頭)」にさかのぼります。もうお分かりかもしれませんが、日本語の「頭金」の発想と同じで「最初のお金」ということから「資本」に、そして「頭=主位にくる町」から「首都」へと発展したのでしょう。capital に「~化する」という意味になる語尾 –ize(-ise)がついたのが「capitalize(資本化する、投資する)」です。
capital には「大文字」の意味もありますから capitalize には「大文字で書く」という意味もあります。最近耳にする言葉に「過小資本税制」(金利費用の損金算入に制限が課されることを言う)というのがありますが、これは thin capitalization と言います。
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