就活、激変! 成績を問う企業が続出する理由 12月から始まる就活では、成績が重要になる

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そんなわけで、企業は今、その社会的責任を果たすように強く求められるようになっています。そして「国を背負って立つ」大企業ほど、問題意識は政府と似通っています。企業も本音では、「大学でしっかり勉強してきてほしい」と思っているのです。そしてそのためには、自らが変わらなければならないと意識するようになりました。

成績の活用は、企業の社会的責任だと認識されるようになってきたのです。

大学の成績を1カ所に集める

これまで企業が大学の成績を活用しなかった理由のひとつに、使い勝手の悪さがありました。

日本の大学の成績評価は、A・B・Cのような3段階から11段階まで、多岐にわたります。表記方式もA・B・CもあればS・A・B・Cもあるし、A・B・C・Dもあります。さらに優・良・可・不可もあれば、秀・優・良・可・不可もあります。

たとえば、慶応大学ではAが最高評価ですが、早稲田大学ではAの上にA+という評価があります。また慶応大学ではD評価は不合格ですが、上智大学ではDは合格です。これでは、多くの大学から応募してくる大学生を成績で評価するのはほぼ不可能です。

また成績証明書は紙なので、分析したり選考に活用しやすくしたりするには、データを入力する手間が必要になります。

さらに大学の先生によって評価の甘さが異なるので、同じ「経済学:A」の成績でも、大学生の知的能力を測る基準にはなりません。このような問題が、企業の成績活用を妨げてきました。

この実務的な問題を解決するための組織が、私が代表を務める「大学成績センター」です。

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