では、企業が大学の成績を参考にするという大変化が、今、なぜ起きようとしているのか。以下の3つの理由があります。
①企業の社会的責任が問われ始めた
②大学の成績の利用が簡単になった
③成績は、大学生の「やらなければならないことへの取り組み方」を見る最高の材料になる
今回は①と②を解説し、次回は③を詳しく解説していきます。
成績の活用は、企業の社会的責任
連載第1回で説明したとおり、大学生が勉強しないのは国家の大問題です。安倍政権もそれは認識しており、今年の夏、政府は経済3団体へ「採用選考活動の開始時期の後ろ倒し」を要請しました。
それを受けて、2016年卒から、就職広報のスタートが3月、選考活動の開始が8月になります。大学側はこれを機に、大学での成績の活用を企業側に強く求めているようです。
安倍政権は、大学改革を政策の重要な柱のひとつと位置づけています。そして教育機関としての大学を改革するためには、大学側が求めているように企業が採用活動において成績の活用を試みることが必要です。
なぜならば、負のスパイラルが循環している中では、大学生も先生も、学業や教育に力を入れるモチベーションが働きにくいからです。企業でいえば、仕事を頑張っても頑張らなくても給与や処遇が変わらない、それどころか、頑張らないほうが給与も上がる可能性が高いようなものです。
どんな施策をするにせよ、大学生や先生のモチベーションが高くないと、絵に描いた餅で終わってしまうでしょう。
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