「トルコの次は中国経済がヤバイ」は本当か

「中国バブル」は、そろそろ崩壊する?

そもそも、両国の関係がこじれた直接のきっかけは、ドナルド・トランプ大統領によるアメリカ人牧師・アンドルー・ブランソン氏拘束に対する猛烈な批判、それに対してレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「応ずる気がない」、と言い出した「一連のもめごと」と言われています。

しかし、一方でトルコ経済自体のインフレ体質、経済不振はここ最近の出来事ではなく、もう昨年には表面化していました。ですからトルコリラが今さら急落するといって驚くこともないわけで、元々いつ急落してもおかしくありませんでした。いわゆる高金利通貨国で経済が極めて順調だなんて国は今ではありませんから、それが何にせよ(ブラジルレアル、南アフリカランド、ルーブルその他)この手のリスクはつねに存在しています。

トルコについていえば、2001年に金融危機に陥り事実上破綻、IMF(国際通貨基金)の管理下に入ったことがあります。例によってIMFは強烈な管理経済を敷きますので、国民の不満が爆発、それを受けて出てきたのがエルドアン大統領です。そのエルドアンは見事に経済を立て直し、2013年にはIMF向け債務を完済し、経済の立て直しに成功しましたから、トルコ国民にとってはある意味ヒーローなのです。

ですから、あれだけ支持率が高く、今のところ政情不安には至っていませんが、今のような経済情勢が長引けばもちろんその限りではありませんし、いつも書いているように通貨高で倒産した国はなく、通貨安で倒産する国は枚挙にいとまがありません。従ってトルコがそうなってもあまり驚きはありません。

「通貨とは何か?」を改めて考えるきっかけに

ここでの教訓があるとすると、「通貨とは何か」ということを改めて考えるいいきっかけであるということでしょうか。

仮想通貨のときも書きましたが、仮想通貨は、資産か国家権力が裏付けとなるならともかく、実際には発行体の信用力しかありませんから(それもどこの馬の骨なのかもわからない)、その「価値」は幻想(まぼろし)でしかなく、いつゼロになってもおかしくありません。そのものに価値があるように考えている人が多くいるのは驚きです。

ですからトルコリラにしてもドルにしても、もっと言うなら円にしても資産、経済力、国家権力、場合によっては軍事力の裏付けがまずあるのか否か、という点が決定的に重要で、それを前提条件に「円がいい」「ドルがいい」、という選択肢が成り立つわけであって、その前提条件さえ満たせないトルコリラのような通貨を、分散投資のツールの1つに使っていることがそもそもおかしいわけです。

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