夕食は「朝食から10時間以内」が望ましいワケ 深夜のヘビーな食事は体内時計を狂わせる
また、パンダの研究チームは2012年、マウスを使った実験を行った。同量の糖分の多い高脂肪食品を、一方のグループは24時間いつでも、もう一方のグループは1日のうち8時間以内に食べるようにした。すると、いつでも食事ができるグループはすぐに体重が増えて、脂肪肝や代謝障害が起きたのに対して、食事の時間を制限されたマウスにこうした異常は起きなかった。
この結果に関心を持ったピーターソンの研究チームは、前糖尿病患者の男性を対象に似たような実験をしてみた。第1段階では、5週間にわたり1日12時間以内に食事をしてもらった。第2段階では、同じ内容の食事を朝食から6時間以内に終わらせてもらった。
「夕食は貧者のようにとれ」は正しい?
すると6時間以内に食事を終わらせたときは、インスリン濃度や酸化ストレスが下がり、夜間に空腹を覚えることも少なく、血圧が大幅に下がった。最高血圧は約11ポイント下がり、最低血圧も10ポイント下がった。
とはいえ、早い時間に夕食をすませられないなら、抜いたほうがいいのかというと、必ずしもそうではない。ただ、夕食を比較的軽めにすますことには意味がありそうだ。イスラエルのある研究では、過体重の成人がしっかりした朝食をとり、ランチは簡単に済ませ、夕食は控えめにしたところ、反対(少なめの朝食に、しっかりした夕食)の人たちよりも体重減が大きく、血糖値とインスリンが低下するなど、心臓病のリスク要因が大きく改善したという。
つまり古い格言は正しかったということだと、ピーターソンは言う。「朝食は王様のように、昼食は王子のように、夕食は貧者のようにとれ」。
(執筆:Anahad O'Connor記者、翻訳:藤原朝子)
© 2018 New York Times News Service
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