トヨタ「10代目カムリ」、発売1年の通信簿 日本の「セダン離れ」に楔は打ち込めたか
10代目が日本国内で発売されてから1年が過ぎた
トヨタ自動車「カムリ」。昨年7月に約6年ぶりのフルモデルチェンジ(全面改良)で、現行10代目が日本国内で発売されてから1年が過ぎた。
カムリはアメリカで絶大な人気を誇り、2002年以降15年連続でアメリカの乗用車販売台数ナンバーワンを獲得し続けたモデルだ。
カムリは、中型の4ドアセダンで、「クラウン」や「マークX」の中間に位置する大きさである。車体の長さはマークXより長く、幅はクラウンより少し広い。カムリと、クラウンやマークXとの大きな違いは、カムリが前輪駆動であるのに対し、クラウンとマークXは後輪駆動であるということだ。
アメリカでの人気に比べ、日本国内でカムリは、その存在をあまり認識されていなかったかもしれない。クラウンが1955年、マークXが以前の「マークⅡ」時代の1968年に誕生したのに対し、カムリの初代は1980年の登場である。
クラウンは、日産自動車「セドリック」や「プリンス・グロリア」と国内最上級セダンの座を競い、マークⅡは「いつかはクラウン」の1つ手前に位置付けられ、小型乗用車「コロナ」の次の段階として手ごろかつ上級さを備えた車種として人気を確立していった。それらに比べカムリは、室内の広さを謳った合理性が特徴で、「カローラ」→コロナ→マークⅡ→クラウンというように、徐々に贅沢な階段をのぼり出世するようにクルマの買い替えをする日本には馴染みにくかったのかもしれない。
一方、アメリカや欧州の市場は、クルマなしでは生活に困る住環境があり、歩かず楽に移動できるクルマは生きるために不可欠だ。そこに、合理性を備えたカムリは適合したのだろう。なおかつ、日本製品特有の故障しにくさも喜ばれたはずだ。
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