2人目は、グリーンワルドと協力してスノーデンのビデオ・インタビューを収録したローラ・ポイトラス。もう1人はグリーンワルドと同じく国家安全保障について報じてきた『ザ・ネーション』誌のジェレミー・スカヒルだ。グリーンワルドとスカヒルは、すでにふたりで新メディア・サイトを作ろうとしており、そこへオミディアーが支援に加わることになる。
折しも、アメリカのジャーナリズムでは、もうひとりのテクノロジー起業家であるアマゾンのジェフ・ベゾスがワシントン・ポストを買い取った。買収額は、オミディアーがこの新メディアにかけるのと同じ2億5000万ドル。実は、ワシントン・ポストの買収話はオミディアーにも持ちかけられており、それを検討する中でオミディアーは、ゼロから新しいメディアを作ることを考え始めたのだという。
テクノロジーの力でできること
オミディアーは、人間は根本的には良き存在であるという、性善説の持ち主だという。人々の間には信頼感が成り立つはずだというのだ。「アメリカと世界のジャーナリズムの自由」のために作られるこの新メディアも、「政府を糾弾する」ことが目的ではなく、“しくみ”を挿入することでよりオープンな社会を作ろうという試みであるように見える。オミディアーも語る。
「テクノロジーの人間というのは、システムが一定の方法で動いているのかどうかという視点から問題を捉えて、さらにシステムのルールを変えて、違った方法で動くようにすることもできるのです。調査報道や深い人間の物語を通して、大衆の目に入らなかったことを浮かび上がらせたい。
それはテクノロジーを使って可能にできるはずなんです。一度出したらそれでおしまいというのではなく、テクノロジーによって人々がそこへますます関心を払い続けるようなしくみを作ることができる」。
社会への意識とテクノロジーの知識を持ち合わせたオミディアーが、自分で腕まくりをして関わる。そのやり方から、世界のメディアが学ぶことは多大であるに違いない。
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