沼口:口の奥ほど新しくて、ちょっとずつ外側に出てきます。
木本:このサメは絶対に歯間ブラシが必要ですね。後ろから押し出されてくるのはどんなサメも一緒ですか。
サメの歯はいつもベストの状態をキープ
沼口:そうですね。裏側から見ると待機しているのがわかると思います。標本ではキレイに処理しているので裏側の歯が見えるのですが、本当はこれらは筋肉の下に埋まっていて見えません。
木本:待機している歯が筋肉の中で順番待ちしているんですね。永久歯が虫歯になったり欠けたら人間はもう二度と生え替わらないから、1本くらい欠けてもいいやというのはうらやましい。
沼口:この標本はアオザメで、気仙沼産です。けっこう大きくて3mを超えていたといいます。ホホジロザメの歯がよく切れるナイフなら、こっちは、鋭利なヤリの刃先なのかな、獲物を串刺しにする、みたいな。
木本:歯がないと生きていけない、サメは「歯が命」なんですね。だから歯はベストな状態を保たないといけない。芸能人と一緒だ(笑)。
沼口:歯がないサメはいないですね。
木本:これがホホジロザメですね? 『ジョーズ』のモデルになった。これを見ると、かなり先々までスタンバイしているんですね。
沼口:3つ4つ先まで用意されています。このサメの歯は危ないですね。水に濡れるとカミソリみたいになるんで、本当にかむつもりなくても歯に触れただけでで切れてしまいます。
木本:僕は絶対に出会いたくないです。
沼口:これは築地に水揚げされました。これで全長4.5~5mくらいでしょう。大きいものは6mですから、さらにその歯は立派でしょうね。
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