成功する人は「失敗はノウハウ」と考えている 「どうしたらやれるか」よりずっと重要なこと
僕もたとえば、丸の内でいくつか連続でイベントを開催していたとき集客に悩み、「どうやったらお客さんが来てくれるか?」ばかりを考えていたことがあります。50人が入るスペースに講演者の知り合いが5人だけ……という状況もありました。でもそこで、そもそもそのイベントをやろうと思ったときの「コミュニティが会社内で完結しやすい街だからこそ、新しい仲間を作って喜んでもらおう」という原点に立ち返ると、いろいろな試行錯誤を自然と、前向きに取り組めるようになります。このときも、メルマガへの登録方法をオンラインだけにしていたのを、現場でメールアドレスを書いてもらうようにして仲間を増やしていくなど、あらゆることを試し、最終的には年間110本のイベントがほとんど満席で埋まり、半分以上はキャンセル待ちまでいきました。
葉山にある海の家を運営していたときも同じです。企画するあらゆることがさまざまなところから反対されるし、経済的にもしんどい……というときに、「仲間たちやみんなに、どうしても夕日と富士山を見せたい」に立ち返れば、つらい状況も乗り越えられました。当初は1500人くらいだったお客さんも、ラストシーズンは海外からもたくさん人が来てくれて、2万人以上を呼ぶことができました。
やると決めたときの気持ちを取り戻す
この考え方は、あらゆるケースに応用できます。たとえば、手作り市に出店するときに、「どうしたら売れ残らないようにできるか……」と不安になって考え込むのではなく、「どうして手作り市にお店を出そうと思ったのか」。
楽しそうだと思ったから。自分の好きなものを広めたいと思ったから。ありがとうと言ってほしかったから。週末のイベントとして適切だと思ったから。1度くらいやってみたいと思ったから。ニーズがあると思ったから――。
スタート地点まで戻ってみると、「だったら、やろう」という気持ちが再び持てます。そうすると「どうしたらできるか」などとは考えなくなります。
「どうして手作り市にお店を出そうと思ったのか」という疑問は、「どうして社内でこんな活動をしようと思ったのか」に置き換えることもできます。すると「それが本当に必要で、みんなに喜んでもらえると確信したから」なのか「なんとなくうまいことやって注目されて、評価も得られればラッキー」だったのか、はっきりするはずです。
そのさらに先で、「好きなものを広めたいのならお店にこだわることはない」「周囲の役に立ちたいのなら、ほかの選択肢もある」といったことにも気がつくことができるかもしれません。
もちろんその後には、やるための方法を探ることになります。でも、下を向いて「どうしたらできるか……」と苦しみながら考えたり、思考停止に陥るようなことにはならず、「やると決めたのだから、あとはやるだけ」という、やって当たり前、できて当たり前という気持ちになれます。この気持ちが、次の行動を大きく左右します。
一生懸命になればなるほど、まじめであればあるほど、「どうしたらできるか」と考えてしまいがちです。でも、「やってみたい」と思ったことは、「やらなくてはならない」ことではありません。国民としての義務でも、生活のためにどうしてもやめられないものでもない。
はっきり言ってしまえば、しなくてもいいことです。でも、それをやろうと決めていたのは自分のはずです。だから、問題が発生して、立ち止まってしまいそうになったときには、やると決めたときの気持ちを取り戻すことがいちばんいいと思います。
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