成功する人は「失敗はノウハウ」と考えている 「どうしたらやれるか」よりずっと重要なこと
どんなことでもそうです。たとえば、お店のキッチンに置く棚を買うとします。たいていの人は、キッチンの空きスペースをメジャーで測り、そこに置けるサイズの棚を選ぶでしょう。「せっかく買ったのに置けなかった」という失敗をしたくないからです。
ただ、その棚の一段分の高さまでは気にしない人が多いのではないかと思います。でも、もしもそこに飲料の入った瓶を置きたいなら、高さは47.5センチ以上確保できないとダメです。なぜかというと、業務用の飲料の瓶には、高さが47センチのものが意外とあるからです。つまり、棚一段分には47.5センチくらいの高さがないと、瓶を置きにくいし、取り出しにくいのです。
「瓶には47センチの高さのものもある」ということは、飲料の瓶を扱う仕事をしている人にとっては当たり前の情報なのかもしれません。でも、キッチンのインテリアの本にも、飲食店経営のノウハウの本にも書いてありません。
きっと飲食店経営の本を書く人もこのことは知っているけれど、本に書かなくてはいけないことはほかにもっとあるので、棚の高さのことまでは手が回らないのでしょう。
僕がこれを知っているのは、せっかくつくった棚に、瓶を入れることができなかったという経験をしているからです。「悔しい! あとちょっとだけ高さが足りない!」という失敗を、自分のノウハウにしているのです。
本を読んでいるだけでは、ノウハウは吸収しきれません。逆に、やってみて、失敗してみて、身にしみることはたくさんあります。
僕の実感として、そうやって体当たりでノウハウを身につけている人のことを、周囲は「失敗ばかりしている人」とは思いません。「リスクを把握している人」「ノウハウのある人」という目で見てくれるのです。
会社でも、新規プロジェクトのリーダーを任される人は、ほかのプロジェクトのメンバーとしての経験がある人でしょう。プロジェクト未経験の人がいきなりリーダーに抜擢されることはほとんどないはずです。
やはり、経験はないよりあったほうがいい。何かを始め、失敗しながらも続けることは、次のチャレンジへのノウハウを蓄積することでもあるのです。
スタート地点に立ち返ってみる
やったことのないことをやってみるときも、やってみて壁にぶち当たったときも、僕は「どうしたらできるか」とは考えないようにしています。それを考えるのは、「できなかったらどうしよう」という恐怖を生むし、「できないかもしれないことをやるなんて……」とつらくもなるからです。
僕の場合、もしも「できなさそう」と立ち止まりそうになったら、「どうしたらできるか」という打開策を探るのではなく「どうしてこれをやろうと思ったのか」というスタート地点に立ち返ることにしています。
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