「新聞ダイジェスト」休刊から復刊への舞台裏

事実の経過を追うだけではない誌面を作る

新聞社提供の紙面を切り抜き、それを誌面のレイアウトに合わせて切り抜き、スキャンして誌面づくりを進める(写真:新聞ダイジェスト)

――現在の発行部数や、主な読者層は?

発行部数は7000部で、主な流通は書店、一部が定期購読になります。読者層は、われわれも就活生がメインと想像していたのですが、実際には昇格試験を控えたビジネスパーソンの方も大勢いらっしゃいます。また、定期購読されている層は、どちらかというとリタイア後のシニアの方が多いようですね。

新聞の読める大人を育てる一助にも

――待望の復刊がかなった『新聞ダイジェスト』ですが、今後の展開については、どのようなプランをお持ちでしょうか。

これは休刊前からの動きなのですが、全国の高校で定期購読いただけるケースが増えています。復刊後もこちらから積極的に営業をかけることで、さらに契約校は増加中です。授業の一環で、こうした新聞記事を活用いただくのは非常に有意義であると思いますし、高校時代から新聞を読む習慣をつけることは、将来にきっと役に立つはず。民法改正で成人年齢が18歳に引き下がりますし、さらに選挙権も与えられた現在はなおさらです。学校現場への浸透は、これからも力を入れていきたいですね。

――この先、新たに考えている企画などはありますか。

例えば、記事として掲載されたものだけでなく、ある特定のテーマに沿って各新聞社に寄稿をお願いして、それぞれの考え方や主張の違いが浮き彫りになるようなコーナーが作りたい、という構想はあります。もちろん、各社の同意がなければ成立しませんし、テーマややり方については熟考しなければなりませんが、実現すれば新聞ごとにカラーが異なることを、若い読者の方にも実感してもらう機会になるのではないかとイメージしています。

――これからメディアのデジタル化はいっそう進むと思いますが、今後、『新聞ダイジェスト』自体のウェブ対応などはあり得ますか。

媒体そのもののウェブ化というよりも、読者の方が『新聞ダイジェスト』をきっかけに興味を持ったニュースに対し、もっと深い記事が読めるよう、各社のデジタルサイトにリンクを張るようなかたちであれば、将来的にはぜひ考えていきたいですね。

紙媒体ならではのメリットがある(写真:news Hack by Yahoo!ニュース)

――最後に、これからの時代に『新聞ダイジェスト』が果たしていくべき役割について、メッセージをお願いします。

こうしたデジタル化の波の中で、古き良き紙文化を後世に伝えていきたいという思いが第一にあります。バックナンバーを何冊かまとめてぱらぱらとページをめくったり、特集タイトルを追ったりしていくだけでも、ここ数カ月の社会の動きが自然に理解できるのは、やはり紙媒体ならではのメリットです。デジタル世代の若い方にも、もっと読んでいただけるように努力をして、新聞の読める大人を育てる一助になれば幸いです。

(取材・文:友清 哲/編集:ノオト) 

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