新聞の世論調査は中立な「報道」とはいえない 「共謀罪」「テロ等準備罪」? 誘導は明らかだ

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4月6日に審議入りした「組織犯罪処罰法改正案」。金田勝年法務相と安倍晋三首相(写真:共同)

同じテーマについての世論調査なのに、新聞によってあまりにも結果が違うため、いったいどれが本当なのかと思うことが増えている。国会で審議が始まった「組織犯罪処罰法改正案」についての世論調査結果もそうだ。

法案を支持する産経新聞や読売新聞の結果は「賛成」が多く、批判的な朝日新聞や毎日新聞の調査結果は賛否が拮抗するか、「反対」が多い。調査手法に科学的あるいは客観的とはとてもいえない恣意的なからくりが組み込まれているためだ。その結果、世論調査は新聞社の主張を補強するための道具になっている。

産経と朝日で記事のトーンはまったく異なる

具体的な記事を紹介する。まず法案成立を支持する立場を取っている産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)の合同調査の記事(4月18日付朝刊)の見出しは「テロ準備罪、自公層7割支持 野党層は反対多数」で、記事も「賛否を支持政党別にみると、今国会で成立を目指す自民党は75.1%、公明党は70.6%と、いずれも高い割合で賛成が多かった」と与党支持層で圧倒的に法案賛成の率が高いことを強調している。

続いて民進党支持層で賛成が25.8%、反対が63.6%などだったことを紹介し、肝心の全体の賛否の割合については記事後段で賛成が57.2%、反対が32.9%であり、過去の調査結果と比較して「安定して賛成が反対を上回っている」としている。記事の最後では、民進党などが批判を強めているが「世論に大きな影響を与えるほどには浸透していないようだ」と、世論調査結果を報じる記事であるにもかかわらず野党を批判する記事に仕立てている。

一方、法案に反対の立場である朝日新聞の記事(4月18日付朝刊)の見出しは「『共謀罪』賛否拮抗」で、本文は「賛成が35%、反対が33%と拮抗した」となっており、産経新聞の結果とかなり異なっている。朝日新聞はさらに、法律が改正されると「一般の人への監視が強まる不安を、どの程度感じますか」という質問をしており、結果は「『大いに』『ある程度』を合わせた『感じる』が59%。法案に『賛成』の人でも半数近くが不安を『感じる』と答えた」としており、こちらは記事全体のトーンが法改正に否定的となっている。

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