川崎「駅前」のにぎわいはなぜ続いてきたのか

キーワードは「映画」と「商店会連合会」

さらに2000年代になると、今度は専門店を中心としたショッピングセンター・ショッピングモールの流れがさらに加速し、花開く。2002年にはチネチッタが改装し、イタリアのヒルタウン(丘の上の街)をモチーフとした「ラ チッタデッラ」になり、2003年には小美屋跡地に「川崎DICE」がオープン。「ラ チッタデッラ」は2003年から2006年まで興行収入全国1位、2011年までは総座席数全国1位(3808席)で、映画のまちとしての存在感を示した。

川崎駅西口に2006年に開業した大型商業施設「ラゾーナ川崎プラザ」。三井不動産が運営する(筆者撮影)

そして2006年には駅直結の商業施設「ラゾーナ川崎プラザ」ができ、2012年には「川崎BE」が「アトレ川崎」に生まれ変わった。「ラゾーナ川崎プラザ」は元々東芝の事業所があったところを三井不動産が開発したもので、郊外型のショッピングモールのように都心のファッショナブルなセンスと日常感をミックスした。これが川崎周辺の雰囲気とマッチしていたことや、駅直結ということもあり、多くの人に支持された。開業翌年の2007年度には年商638億円をマーク、その後も右肩上がりに売り上げを伸ばし、現在では年商946億円(2017年度)にもなっている。

ちなみに、ラゾーナ川崎プラザと川崎DICEにもシネマコンプレックスは入っており、チネチッタと合わせると合計で約7000席にもなる。これは新宿よりは少ないものの有楽町より多く、首都圏でも有数の規模と言えよう。

大型店と共存してきた商店街

一方で百貨店は苦境に陥り、次々と撤退することとなった。2003年には西武百貨店が、2015年にはさいか屋が閉店した(川崎日航ホテル内で「サテライト型店舗」は営業中)。また、岡田屋モアーズはゲームセンターが目立つ、専門店ビルの形態になっている。現在、市内にはいわゆる「百貨店」はない。

では、商店街はどうだったか。実はいまの川崎のまちのにぎわいのヒントはここにある。

実は、川崎駅周辺の商店街は昭和の頃から大型店と共存共栄の関係にあった。川崎駅広域商店街連合会の馬場義弘会長は「昭和のころから大型店とともに歩み、ともに川崎(駅周辺)を盛り上げようという認識だった」と語る。そして商店会を通じて自然に情報交換が行われ、後からきた大型店も商店会に入りやすい雰囲気が作られていった。

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