川崎「駅前」のにぎわいはなぜ続いてきたのか

キーワードは「映画」と「商店会連合会」

2015年には川崎駅前にあった2つの商店会が1つになり、川崎駅広域商店街連合会として16の商店街と16の大型店を会員に持つことになった。こうして線路をまたいで駅の周辺を全体的にカバーし、大型店も巻き込んた商店会の構造は非常に珍しいと言える。その中でラゾーナやアトレで商店街のイベントを行うほか、商店街の企画するイベントにそれらの大型商業施設が乗っかってくるという共存共栄の関係が生まれている。

こうした活動の背景には従来の「工場」や「堀之内・南町」といったものから連想される川崎のイメージをよい方向にもっていき、多くの人が訪れるまちにしたいという思いがある。馬場会長は「官民一体となっていいまちを作ってお客様に喜ばれようと考えている」と川崎駅周辺のまちづくりを語る。実際そういった取り組みによって、シャッター街の問題もなく、むしろ若い人がどんどんとお店を出しているそうだ。

「南口」設置に寄せる期待

近年では近くの街、武蔵小杉の発展も著しいが、川崎駅広域商店街連合会は「継続した取り組みが大事」・「最終的に選ぶのはお客様」とスタイルを崩さない。

実際、川崎駅周辺を歩いていてもまちがさみしいという印象は受けない。昼間でも駅周辺には人が多く歩いている、むしろ、ラゾーナ・アトレ・商店街・大型商業施設とあることで回遊性が強まっているように思えた。

JR東日本が川崎駅西口に建設中のビル。2022年の開業を目指す(筆者撮影)

むしろいま課題なのは「来街者の安全確保」だという。駅構内に人が滞留している状況や、今後南西側に駅ビルができることで乗降客の増加が予想されることもあり、川崎駅広域商店街連合会はJRに対し、川崎駅南口の設置を請願している。いまJRが川崎駅の南側に新しいビルを作っていることで、南側に新しい改札口を作る機運は高まっている。南口ができ、そこから東西に自由通路ができれば、新たな回遊路ができ、さらなるまちの広がりにも期待が持てる。

多くの人でにぎわうまち、川崎。現在のそのにぎわいは、商店街と大型商業施設が一緒になって生み出してきたものだった。今後もこのにぎわいを維持しつつ、さらなる発展を遂げていくことを期待していきたい。

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