iPhoneX好調、アップル4-6月業績は予想以上  国別では中国が19%増と好調

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
 7月31日、米アップルの第3・四半期決算は、利益と売上高がともに市場予想を上回った。3月撮影(2018年 ロイター/Dado Ruvic)

[31日 ロイター] - 米アップル<AAPL.O>の第3・四半期(4─6月)決算は、利益と売上高がともに市場予想を上回った。高価格モデルの「iPhone(アイフォーン)」販売が好調だったほか、アプリ販売の「アップストア」や音楽配信「アップルミュージック」、アイクラウドなどのサービス事業の増収が寄与した。

第4・四半期(7─9月)の売上高見通しも予想を上回った。

決算を受け、引け後の時間外取引でアップルの株価は3.7%高の197.34ドルと過去最高値を付け、時価総額は9540億ドルに達した。

第3・四半期のiPhone販売台数は4130万台と、市場予想の4180万台を下回った。ただ、販売価格は平均724ドルで、ファクトセットによるアナリスト予想の694ドルを上回った。アップルのマエステリ最高財務責任者(CFO)はロイターに対し、高価格モデル「iPhoneX(テン)」の販売が好調だったと指摘した。

DAデビッドソンのアナリスト、トマス・フォルテ氏は「アップル経営陣がiPhoneXから学んだのは、1000ドルを超えるスマートフォンを売れば、販売台数が減っても利益を上げられるということだ」と話した。

第3・四半期の売上高は533億ドル、1株利益は2.34ドル。トムソン・ロイターI/B/E/Sのアナリスト予想は売上高が523億ドル、1株利益が2.18ドルだった。

売上高は、国別では中国が19%増と好調だった。

<ウエアラブル端末も寄与>

また、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は「アップル・ウォッチ」やワイヤレスイヤホン「エアポッズ」などウエアラブル端末の寄与度が増していると指摘した。

マエステリCFOはロイターに対し、ウエアラブル端末の過去10四半期の売上高は100億ドルで、第3・四半期には60%伸びたことを明らかにし、「まだ需要に追いついておらず、エアポッズの生産能力を引き続き拡張している」と述べた。

サービス事業の売上高は、サムスン電子<005930.KS>との係争和解による2億3600万ドルを含めて95億ドル。アナリスト予想の91億ドルを上回った。

アップル幹部はサービス事業の売上高の大部分が継続的なものであることを強調し、アップルミュージックなど自社サービスやネットフリックスなど他社サービスを含め、アップルの端末で利用する定額制サービスが3億件に達したことを明らかにした。

クックCEOは、無料体験を含めたアップルミュージックの利用者は5000万人を超えるとした。アップルは動画コンテンツ強化にも取り組んでおり、クック氏は幾つかの新しいサービスを含む事業を用意していると意欲を示した。

<iPhone事業の成長性>

第4・四半期の売上高見通しは600億─620億ドルとし、市場予想の596億ドルを上回った。

ただ、アトランティック・エクイティーズのアナリスト、ジェームズ・コードウェル氏は、価格引き上げによるiPhone事業の成長には限度があるとし、投資家の間で高価格への懸念が浮上する可能性があるとの見方を示した。

第4・四半期の粗利益率は38─38.5%、営業経費は79億5000万─80億5000万ドルと予想。トムソン・ロイターI/B/E/Sのアナリスト予想は粗利益率が38.3%、営業経費は78億ドルだった。

アップルの主力商品は今のところ、米中の関税の対象にはなっていないが、トランプ米大統領は数千億ドル規模の新たな関税発動を警告している。

クックCEOはアナリスト会見で、「データセンター関連」やその他の購入が関税の影響を受けるかどうか精査していると述べた。

<自社株買いで株支援も>

また、アップルは、第3・四半期に200億ドルの自社株買いを実施したことを明らかにした。1─6月に行った自社株買いの規模は430億ドルと過去最高に達した。

アップルは昨年末に成立した米法人減税を受けて多額の海外資金を還流しており、1─6月の株式買い戻し額は、フォード・モーター<F.N>やデルタ航空<DAL.N>、ツイッター<TWTR.N>などを含め、S&P総合500種指数を構成する3分の4近くの企業の時価総額を上回る規模となった。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのアナリスト、ハワード・シルバーブラット氏によると、アップルの4─6月期の自社株買いの規模をこれまでに上回ったのは同社が1─3月に行った228億ドルの買い戻しのみだという。

一部の大手ハイテク企業の株価は高過ぎるとの懸念が投資家の間で出る中、アップルによる最近の株主還元は同社の株価を下支えする可能性がある。

S&P500構成銘柄の年初来上昇率が5%であるのに対し、アップルは年初来16%上昇している。

DAデビッドソンのアナリスト、トマス・フォルテ氏は「自社株買いが短期的な株価上昇の大きな材料になるだろう」と話した。

*情報を追加しました。

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事