バイキング料理が60年前日本で誕生した理由 食べログでバイキング料理の「今」を分析

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次に、価格帯別で見てみよう。昼の利用金額としては、1,000円台がいちばん多い。外食ランチ予算は「700~1,000円」が52.8%(食べログ「ビジネスパーソンのランチ事情」調査結果)なので、満腹感を味わうために費用も高めになったのであろう。なお、利用金額には単品オーダーも含まれるので、あくまで参考値としてご理解いただきたい。

夜の予算はどうか

一方、夜の利用金額では、2,000円と3,000円台が多い。思ったよりはリーズナブルだ。アルコール類をあまり頼まなければ、懐にもやさしいようだ。たとえば、中華料理のバイキングでは、3,000円台が多い。逆をいえば、3,000円台で作れるバイキング・メニューを構成して、お得感を演出している。

余談だが、バイキングで少しでもたくさん食べたいなら、開始20分が勝負だろう。食事を始めて20分程度で脳内の満腹中枢が働くと言われているからだ。また、咀嚼することでも、満腹中枢は刺激されるという。

ただ、急いで食事をかきこんでいては、バラエティ豊かな料理を満喫できないというジレンマがある。そもそも、バイキングとは北欧の海賊が仲間と船上で楽しむ宴が起源だ。日本でもそれに倣い、仲間との美味しいひとときを楽しむものにしてはどうだろうか。

新山 勝利 研修講師、マーケティングコンサルタント

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にいやま しょうり / Shouri Niiyama

専門領域は店頭マーケティング、購買心理プロセス、顧客満足度。飲食店のコンサルティングでは、点数を分析したデータ主義で売上向上を図り「食べログ」の評価3.50点達成を推進する。顧客満足を高める販売促進、店舗の活性化や売場づくりのためのノウハウを提供。メーカーや全国の商工会議所などの団体、広告代理店、卸売、量販、チェーン店などが主要顧客。他業界の成功事例を用いて、写真や図表を活用した説明を行う。世界30カ国、150都市を歴訪。中でもフランス・パリには30回訪問。諸外国の先進的な産業事例にも造詣が深い。多数の専門誌に執筆するほか、各種マーケティング学会で論文発表。著書に『売れる商品陳列マニュアル』(日本能率協会マネジメントセンター)など。公式サイトはこちら

 

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