ブロックチェーンが創る「GAFAと違う新世界」 エンジェル投資家の谷家衛氏とダイ氏に聞く

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ハイパーインフレが進行中のベネズエラの例はまさにわかりやすいが、ブロックチェーンの特長の1つである「お金の行方を追跡できること」という機能が途上国で生きる場面は、ほかにもいくらでもあるという。

ブロックチェーンの「エコシステム」構築から始める

「たとえばせっかくNPO(非営利団体)が募金活動などで集めた寄付金も、お金の行方をトレーシング(追跡できるようにする)できないと、遠い貧困の村で使われることなく、間に入る一部の権力者のポケットに入ることがよくあるのです。ブロックチェーン技術があれば、本当に困っている人のもとに届いているか追跡できて、透明性のある仕組みが作れるようになります。しかし、こうした仕組みはタダではでは作れません。だから、ICOを使うわけです」(ダイ氏)

日本の競争力復活だけでなく、世界の途上国にも恩恵があるのがブロックチェーン技術だ(左が谷家氏、中央がダイ氏、右は共同創業者の一人でウォール・ストリート・ジャーナル出身のルエミリー・パーカー氏(筆者提供)

谷家氏とダイ氏が立ち上げたロングハッシュジャパンは、ブロックチェーンやICOに関する法律が整備されることを目指しつつ、多くの人がブロックチェーンやICOへの正しい理解が得られるようメディアを運営していく。

その一方で、ライセンスの必要のない「ハードウエアウォレット」の開発のほか、アンチマネーロンダリング、ビックデータの解析といった、ブロックチェーンのエコシステムをつくるうえでは必要なものを構築していく予定だ。

さらに、ブロックチェーンのビジネスだけでなく、それにかかわるICOによる資金調達に加え、ブロックチェーンを導入したい日本企業と技術を持った海外企業や海外の優秀な人材をつなぐ役割を果たしてしていきたいという。「日本から新しい世界を創っていくにはブロックチェーンの分野にコミットしていくしかない」と力説する2人は、これから待ち受けるさまざまな難関に挑もうとしている。

伊藤 洋次 ジャーナリスト、編集者

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いとう ようじ / Yoji Ito

立教大学卒業。複数の出版社に勤務。雑誌、書籍の編集などを経て現職。Webサービスの企画、開発なども行っている。

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