MacBookProが仕事にも最適といえる4理由 クリエイティブ分野で活躍するだけではない

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たとえば白熱球の柔らかい環境では、紙の色味は黄色っぽくなる。蛍光灯の光の下ではより白さが出たり、場合によっては青っぽくも見える。TrueToneディスプレーでは、環境に応じた「紙の白」をディスプレーにももたらしてくれる。

これによって自然かつ目に優しい画面表示を実現してくれる。オフィスユースでは白い紙の書類を作成する機会も多く、白い背景が画面に広がる機会も多い。その白が自然に調整されるため、TrueToneディスプレーがより活躍するのだ。

これとは別に、ブルーライトをカットする画面表示を実現する「ナイトシフト」は今までどおり利用できる。また秋に無料でアップグレード可能な次期OS「macOS Mojave」では、画面表示を暗く引き締めるダークモードも用意される。

セキュリティを司る「T2チップ」

最後に、セキュリティだ。ビジネスユース、特にモバイル可能なデバイスでは、中の情報へのセキュリティ配慮は非常に重要となる。MacBook Proには新たにアップルがデザインしたT2チップが内蔵され、新たなセキュリティ機能が数多く用意された。

T2チップが実現するセキュリティ機能は主に2つある。

1つ目はセキュアブートだ。この機能はコンピュータの起動に対するセキュリティだ。アップルによって信頼されているmacOSやMicrosoft Windowsのみを起動できるフルセキュリティ、どのバージョンのOSでも利用できるミディアムセキュリティ、セキュリティなしの3段階から起動できるシステムを選ぶことができる。また、外部メディアからの起動にも制限がかけられる。

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2つ目はOn-the-fly暗号化ディスクだ。T2チップはSSDコントローラーも兼ねており、すべてのデータをSSDに記録する際にAES-256bitによる暗号化を施している。そのため、接続した外部のマシンから、これらのデータを読み込むことはできない。この点は、ビジネスユースのモバイル機器におけるセキュリティとしては、非常に重要な進化となった。

しかしもしMac本体が壊れて起動しなくなってしまった場合、このデータにアクセスできなくなることを意味する。そのため、企業のポリシーにもよるが、重要なデータは外部ディスクやクラウドにバックアップを取っておくべきだ。

以上、新型MacBook Proを、ビジネスユースの視点でレビューしてきた。2018年モデルのMacBook Proは、パフォーマンス、キーボードの信頼性、強化されたセキュリティなどの観点から、最も安心して選ぶことができるポータブルMacといえるだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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