多くの命を奪ったアテネ近郊「山火事」の猛威 生後6カ月の赤ちゃんも命を落とした

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最年少の犠牲者は、煙を吸い込んで命を落とした生後6カ月の乳児だとされる。 

ある目撃者はロイターに対し、近くの海岸に向かう車で渋滞した狭い道で少なくとも4人の死体を見たと明らかにした。

後に沿岸警備隊は新たに4人の遺体が海から回収されたと発表した。沿岸警備隊や他の船舶が海岸に向かった人のうち合計で696人を救助し、それとは別にボートが19人を助け出した。

「命を奪う炎」 

マティの一部では24日早朝になっても、白煙が立ちこめ、炎がくすぶっていた。燃え尽きた車がゲートで出入りする外壁で囲まれた住宅街の外に点在し、そうした住宅街の中の3、4階建ての建物にも火事による被害が確認できた。

(写真:ロイター)

ボスニア訪問を切り上げたアレクシス・ツィプラス首相はやや青ざめた表情で、「私たちは完全に非対称に展開している火事に対処しているのだ」と発言した。

ギリシャ各地で家屋を破壊し、重要な交通機関を混乱させるなどし、手に負えなくなった火災に立ち向かうため、ギリシャは緊急支援を要請した。ギリシャによるEU加盟国への空や陸からの支援の要請を受けて、キプロスとスペインが援助を申し出た。

この大火事は24日朝刊各紙の一面を「命を奪う炎」や「地獄」などの見出しで飾り、犠牲者数が拡大する恐れがあると報じた。

当局は、24日は米国から提供された無人ドローンを活用して、不審な動きがみられないか監視追跡を行なうと発表した。

ツィプラス首相とギリシャ政府の高官たちは、同じ時期に複数の火災が発生したという事実に懸念を表明した。

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