干ばつでカリフォルニアワインはどうなる? 乾燥に強い新たなブドウ栽培方法模索も
ワインの世界的な産地として知られるカリフォルニア州では今年、干ばつが大きな問題となっている。ところが同州ナパバレーのスプリング・マウンテンにあるワイナリー「スミス・マドローン・ビンヤーズ」では、雨が降らないことは大した懸念材料にはなっていない。
異常気象で例年より生育が早まる
それよりも気がかりなのは、1〜2月にかけて気温が異常に高く、例年より早くブドウの生育が始まってしまったことだ。
5月には急な寒波に襲われた。そのために収穫量が40〜50%減少したというという生産者も少なくない。7月の気温も予想より低かった。そして8月。ナパバレーの多くの地域では、例年よりも早くブドウの収穫期が訪れた。
「普通にひどい年だった」と言うのは、この農園で弟とともに44年にわたってブドウを育ててきたスチュワート・スミスだ。これまでに異常気象を何度となく経験してきた彼にとっては、山火事のほうが心配だ。
干ばつのせいでカリフォルニア州全域が砂漠化したような印象を多くの人が持っているかもしれない。だが、今年7月に同州各地のワイン産地を歩いたところ、状況は場所によってさまざまだ。
カリフォルニア州の干ばつは今年で4年目だが、影響は地域により異なる。パソロブレス東部やセントラルバレー(安価な大量生産ワイン用のブドウが採れるところだ)のようにひどい被害を受けているところもあれば、ノースコーストのように影響の少ないところもある。