職場の20代が「経営批判」を始めた時の対処法

「経営は現場のことわかってるんですか?」

しかし、その場合、「今」の人は損をして、「未来」の人は得をするわけですから、「未来志向の判断」に不満を持つのが自然でしょう。つまり、「今」の全社員から総スカンを食らうことさえあるということです。

オッサン世代が若者に共感してはならないところ

さて、では我々オッサン世代はどうすればよいのでしょうか。

我々の世代は、中間管理職などをやっている人が多いと思いますが、そんなときに、表題のようなことを若者から言われたら、なんと答えればよいのでしょうか。

日頃から「共感、共感」と思っている、若者をちゃんと理解しようと努めているような人ほど落とし穴にはまってしまいそうです。

「そうだよね。現場で起こっていることを、きちんと理解できているのか、オレも疑問に思うよ。今度、機会があれば、きちんと上申してみようと思う」などと、共感してしまってはいけません。

ここで言うべきことは、基本的にはNOです。

「そうかなぁ、オレはそうは思えないんだけどな。実際、経営陣は例えば●●みたいなことをしているわけだし。具体的にどんなことでそう思った?」という感じで、若者の「心理的現実」をちゃんと砕いてあげて、本当の現実に引き戻してあげなくてはなりません。

先にも述べたように「具体的に」と聞けば、それが単なる印象論、過度の一般化によるものだと気づくことは多いはずです。

上には対峙して、下には経営の責任を自分の責任として背負って語る
もちろん、これは経営者側について媚びろということではまったくありません。

本当にダメな経営者で、本当に現場のことを知らないのであれば、それはそれで対処しなければならないでしょう。

ただ、その場合でも、部下や後輩の若手社員に「だよね、うちの経営はアホだよね」などと言っては絶対にいけません。そう思うのであれば、別のところで経営者にきちんと提言したり議論したりすべきです。

これは倫理観などから言うのではなく、組織を運営していく際に、途中で指揮命令が曲がってしまう(幹部の意図通りに管理層が物事を伝達せずにメンバーが誤った行動を取る)のは避けなければならないため、経営者は幹部がダメだということをダシにメンバーを操る中間管理職をとても嫌うからです(私怨ではなく、組織論ゆえに、です)。

そのため、そういう人は出世できません。

上にも対峙して、下には経営の責任を自分の責任として背負って語るなんて、どれだけ中間層のオッサン世代はしんどいんだよと思われるでしょうが、その通りで、オッサン世代はつらいのです。

頑張って参りましょう……。

文:曽和利光/株式会社 人材研究所(Talented People Laboratory Inc.)代表取締役社長
1995年 京都大学教育学部心理学科卒業後、株式会社リクルートに入社し人事部に配属。以後人事コンサルタント、人事部採用グループゼネラルマネジャーなどを経験。その後ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスの人事部門責任者を経て、2011年に同社を設立。組織人事コンサルティング、採用アウトソーシング、人材紹介・ヘッドハンティング、組織開発など、採用を中核に企業全体の組織運営におけるコンサルティング業務を行っている。
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 若者のための経済学
  • 内田衛の日々是投資
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • ほしいのは「つかれない家族」
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
人生100年時代の稼ぐ力<br>副業・資格で定年後も長く働こう

人員削減や年金不足問題など、将来収入への不安は募るばかり。会社に依存するのではなく、副業や資格を持つことで長く働くすべを身に付けよう。需要がグンと高まる資格、60代からでも食える仕事など、実践的な情報を満載。