日本人は「GAFAの恐ろしさ」を知らなすぎる

「四強企業の真実」は現代人の必須科目だ

本書は、神にも擬せられるほどの力を持つようになったGAFAについての力作だ。その歴史とビジネスモデルを詳細に分析し、GAFAが支配する世界で企業はどうすべきか、個人はどう学び、どういうキャリアを目指すべきかを語っている。GAFA以後の世界について学ぶことは、現代人の必修科目だと著者は言う。

著者はMBAの2年生になった学生たちに、そんな講義を行っているようだ。既存のMBA2年目の授業は、教授陣に支払われる「年金」収入を支えるためのプログラムに過ぎないと主張し、生きた知識を教えるべきだと指摘している。

評者が人生で最初に触ったコンピュータは、1984年に誕生したApple IIcだった。グーグルの知名度がまだ低く、インターネット界隈で働く人間しか同社を知らなかった2000年ころには、同社をグルグルと誤って呼ぶ人間も多かった。

そんな経験を持つので、その後のGAFAの爆発的な成長、そして人々の生活スタイルを変えるまでに至った影響力について、常日頃から考えさせられている。

なぜ彼らはここまで成長できたのか? 彼らの影響力の源はどこにあるのか? 彼らは世界をどう変えたのか? 彼らが存在するこれからの世界はどうなっていくのか? 彼らに続く第五の騎士は、この後現れるのか?

GAFAにはセクシーさとかわいげがある

評者を含む多くの人たちが抱くであろうそんな疑問に、真正面から答えてくれるのが本書だ。といっても、本書の分析は学者による堅苦しいものではない。GAFAについて、その「セクシーさ」や「かわいげ」についてさえも言及している。

たとえばこんな記述がある。著者はアップルの故スティーブ・ジョブズをイノベーションエコノミーのキリストのような存在だと述べ、アメリカ政府と国民がアップルを甘やかしていると見る。そして、「テクノロジー企業から高級ブランドへ転換する」というジョブズの決定を、「ビジネス史上、とりわけ重要な――そして価値を創造した――見識だった」と看破する。

なぜならその決定により、アップルというブランドの製品を持った人間は、世界で最も評価される、「イノベーティブな人間である」という評価を得られるようになったからだ。著者は、アップル製品を「モテるためのツール」と見立てるのだ。そして、格安で作れる製品に高い付加価値をつけることに成功したとして、アップルを讃える。

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