日本人は「GAFAの恐ろしさ」を知らなすぎる

「四強企業の真実」は現代人の必須科目だ

一方、著者は格安パソコンのデルを使っているようでは、異性へのアピール度が下がるだろうという、デルユーザー、関係者に同情したくなるような見解も述べている。

また、規模的にはGAFAを目指せる位置にいる中国企業アリババについても、「不可解なガバナンスと『親会社』である中国の悪印象のために共感を生みにくい」とブランド価値の劣後を指摘する。

GAFAは私たちの生活のインフラのようなものとなり、私たちのGAFAへの依存度は高まる一方だ。彼らは私たちにメリットだけをもたらしてくれるわけではない。

私たちは、GAFAに対して、「善良でないと知りつつ、最もプライベートな領域への侵入を無防備に許している」のだ。それも、GAFAが持つ圧倒的なパワーゆえだろう。

著者はアマゾンをロボティクスで武装した倉庫付きの検索エンジン、そして地球上最大の店舗ととらえる。買い物をするとき、人はグーグルでなく、アマゾンで検索をするようになっている。そしてアマゾンは、そのストーリーテリングの上手さから、安い資本を長期的に手に入れていると指摘する。

アップルのビジネスモデルの肝は、前述したとおり、ビジネス界の常識を打ち破って、低コストの製品をプレミアム価格で売るのに成功したことだろう。

フェイスブックはどうだろうか。著者によると、世界人口75億人のうち、12億人が毎日35分はフェイスブックを見ている。普及率と使用率を基準にすれば、同社は人類史上、最も成功している企業だと著者は言う。

グーグルに至っては、「現代人の神であり、我々の知識の源である」として、歴史上、ここまで世界中のあらゆる問いかけがなされた権威は存在しなかったと言う。検索エンジンに入力される質問は1日に約35億。その6つに1つは、それまで誰も問いかけることのなかった問いだそうだ。グーグルは、それほどの「信頼」を一身に受けているということだ。

GAFAの敵はGAFA

圧倒的な力を持つGAFAであるが、GAFAの敵はまさにGAFAだ。私も含め、そこに異論を持つ方は少ないだろう。グーグルは製品の検索でアマゾンと争い、フェイスブックは広告の精度でグーグルと争っている。GAFAは私たちの生活のオペレーティング・システムになるべく、互いに壮絶な戦いを展開していると著者は指摘する。

生活のオペレーティング・システムに入り込む例として、アマゾンのアレクサを挙げ、広告会社、消費者企業のブランドマネージャーの消滅を著者は予測する。アレクサはある時から「他に商品が見つかりません」と答えるようになる。そして私たちは、アマゾンのプライベートブランドを買うようになるのだ。

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