ホンダ、費用増を円安がカバー 4~9月期連結営業益は、前期比28.7%増

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10月30日、ホンダは、2013年4─9月期の連結営業利益(米国会計基準)が前年同期比28.7%増の3564億円になったと発表した。写真は4月、都内で撮影(2013年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 30日 ロイター] - ホンダ<7267.T>が30日発表した4─9月期の連結営業利益(米国会計基準)は、前年同期比28.7%増の3564億円だった。新工場の立ち上げ費用や広告宣伝費の増加などが減益要因になったものの、円安効果がすべてをカバー。増益を確保した。

第3・四半期以降は、新型車の投入効果で日本、北米、中国など主要市場で販売台数が伸び、先行きに懸念があるインドやインドネシアなどでも全体需要を上回る動きになるとみられる。

通期の連結営業利益見通しは据え置かれたが、バークレイズ証券の自動車担当アナリスト、吉田達生氏は「計画に保守的な部分がある」と指摘。販売拡大と円安効果で上振れる可能性が高いとみる。

<収益性回復へ>

ホンダは今回、14年3月期の連結営業利益予想を前年比43.2%増の7800億円に据え置いた。トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト23人の予測平均値8278億円を5.7%下回っている。

同社は17年3月期に四輪車の年間販売台数を600万台に引き上げる目標を掲げ、各地で増産に向けた投資を進めている。生産能力の増強が固定費の増加につながり、収益が伸び悩む要因となってきた。

ただ、主力小型車「フィット」のフルモデルチェンジを機に、固定費を回収していく局面に入った。9月に国内で発売した新型「フィット」は、販売開始から1カ月で月販計画の4倍以上となる受注を獲得するなど、収益性回復に向けて好スタートを切っている。

14年にメキシコ、15年にタイの新工場を稼働させるほか、インドネシア、インドなどでも生産能力の増強を計画。その大半を「フィット」シリーズを中心とした小型車の増産にあてる見通し。今後は各地で新型車が期待通りの成果を上げていけるかが焦点となる。

<賃上げには前向き>

通期の四輪車世界販売計画は従来の443万台で据え置いた。13年3月期(401万4000台)を上回り、2年連続で過去最高を更新する。会見した岩村哲夫副社長は「上期は計画通り。下期も新型車を中心に計画を達成していく」と述べた。国内販売の計画には消費増税前の駆け込み需要をまだ織り込んでいない。

第3・四半期以降の想定為替レートは1ドル=95円、1ユーロ=125円に設定した。通期平均で1ドル=97円、1ユーロ=127円とし、従来見通しからそれぞれ1円円安方向に修正した。

岩村副社長は、政府が来年の春闘で求めている賃金の引き上げについて「利益を従業員に還元するのは当然」と前向きな姿勢を示した。今後の成長を見極めながら判断していくという。

(杉山健太郎 ;編集 内田慎一)

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