EVだけでなく「燃料電池車」の覇権も狙う中国

「バス・トラック」で日本を猛追する

燃料電池を使った大型車両のプロジェクトが次々に動き出している上海(撮影:長瀧菜摘)
中国は世界最大の電気自動車(EV)市場だ。昨年1年間に中国で販売されたEV(PHVを含む=以下同)は約58万台で、世界の生産台数の5割を占める。普及台数は昨年末時点で123万台に達し、世界中のEVの10台に4台は中国内を走っていることになる。
そんな中国で環境車と言えばEV一辺倒かと思いきや、意外にも中国各地で、水素を利用した燃料電池自動車(FCV)の開発が盛んに行われている。
このたび『日本の国家戦略「水素エネルギー」で飛躍するビジネス』を上梓した西脇文男氏が、中国の大都市で進む燃料電池バス・トラックの量産化プロジェクトをレポートする。

上海市で500台のFCトラック製造

上海市は、広東省、重慶市と肩を並べる、中国国内でトップクラスの自動車生産地だ。しかし、新エネ車(NEV=EV、PHV、FCVが該当)に関しては大きく後れを取っている。上海市の2016年のEV生産台数は、広東省の3分の1にも満たない。

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この後れを挽回すべく、上海市は昨年9月「上海市燃料電池車発展計画」を発表。FCV普及を図り、中国一、否、世界一のFCV先進都市を目指す。

その上海で、燃料電池トラック500台を製造するプロジェクトが進んでいる。トラックを造るのは、東風汽車グループの東風特別車両。全長6.4メートル、積載重量3.2トン、航続距離は330キロメートル。この数字からもわかるように、長距離輸送よりは主に都市内での商品配送に使用されることを想定している。

心臓部分の燃料電池システムには、カナダの名門企業バラード社の技術が導入されている。実際に製造するのは上海再火技術有限公司で、2018年2月にバラード社との間でライセンス契約を締結した。

すでに500台分のナンバープレートは上海市から交付済みで、2018年末までにはすべての車両が現場に配備されるという。

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