ホンダ「N-VAN」、ついに出た新型軽バンの全貌 7月13日発売、価格やメカニズムの詳細判明

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助手席をフラットにできるパッケージングは軽商用バンではN-VAN唯一(撮影:今井康一)

荷室の低床化と助手席の床下格納、助手席側の大開口部によって、これまでの軽商用バンにはできなかった荷物の積み降ろしが可能となる。

そして荷室空間は、段ボール箱(長さ380×幅310×高さ280mm)で71個、ビールケースなら40個を運ぶことも可能な大容量を実現した。脚立などの長尺物も積みやすく、自転車やレーシングカート、キャンプ道具、サーフボードなどを運びたい人が、レジャー用途で買い求めることもありえそうだ。最大積載量は350kgとなる(一部グレードは同300kg)。

基本的にはどのグレードにも、衝突軽減ブレーキや誤発進抑制機能、路外逸脱抑制機能などを備えた、ホンダの安全運転支援システムである「ホンダセンシング」が標準装備されるが、一部は装備しない仕様も選べる。

法人販売の弱さが課題か

「ホンダ『N-VAN』、19年ぶり新型軽バンの衝撃」(6月1日配信)でもすでに触れたが、N-VANの強みはこれまでの軽商用バンになかったパッケージングにある。室内の寸法は競合車と極端に大きな差はないが、助手席の部分をフルフラットにでき、助手席側からも大きな荷物を積み降ろしできるのは、軽商用バンにおいてはN-VAN唯一のレイアウトだ。

トヨタ自動車の「ハイエース」のように、商用ニーズはもちろん乗用車としても新たなニーズを掘り起こしそうなN-VAN。普通乗用車のバンからのダウンサイジングニーズもにらむ。

一方、「軽商用バンのモデルチェンジが長すぎて、アクティバンやバモスは保有台数が減ってきている」。N-VANの商品企画を担当したホンダ商品ブランド部の澤本正悟氏は明かす。当初の課題はホンダ離れしてしまったユーザーの取り返し。そしてダイハツやスズキに比べると弱い法人向けの新規開拓力を、ホンダがどのように強めていくかだろう。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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