ホンダ「N-VAN」の大躍進計画に漂う3つの不安 スズキ、ダイハツに肉薄する思惑はかなうか

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ホンダから7月13日に発売となった「N-VAN」(撮影:大澤 誠)

軽商用バンの分野で新型車を投入するのは19年ぶり

7月13日、ホンダから「N-VAN」がデビューした。今年、販売を終了した「バモス」「アクティ・バン」の後を継ぐ軽商用バンだ。この分野でホンダが新型車を投入するのは、実に19年ぶりとなる。

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東洋経済オンラインでも「ホンダ『N-VAN』、ついに出た新型軽バンの全貌」(7月12日配信)、「ホンダ『N-VAN』軽商用車に新風吹き込めるか」(7月14日配信)などで報じてきた。商品内容の詳しい解説はそちらに譲りたいが、N-VAN最大の特徴は助手席側からの荷物の積み降ろしを便利にした独自の構造にある。

運転席以外のシートを床下へ座面ごと収納できる機構のほか、燃料タンクを前席の下に収めるセンタータンクレイアウトを採用。併せて助手席側はボディの上下をつなぐピラーを廃止して、助手席と後席のスライドドアを全開にした状態で、幅1580×高さ1230mmの大開口部を実現した。

一方で、「ホンダって商用車もラインナップしてたの?」と思う人もいるかもしれない。それもそのはず、直近はホンダの軽商用バンはさっぱり売れてなかったからだ。

全国軽自動車協会連合会(全軽自協)の統計によると、2017暦年での軽四輪車販売約184万台のうち、軽商用バンの販売台数は約20.1万台。軽自動車全体の1割を占めている。これを車名ブランド別に見ると、最大シェアは約7.2万台を売るスズキ「エブリイ」だ。2位はダイハツ「ハイゼットカーゴ」の約5.8万台、3位に日産自動車「NVクリッパー」が約2.4万台で続く。

対してホンダ「アクティ・バン」は約5500台にとどまっていた。もともとの月販目標は2500台、年間目標に直すと3万台だった。アクティ・バンは1999年、つまり20世紀にデビューしたベテランだし、早くからN-VANの存在に関する情報が流れ、2017暦年の販売台数はモデル末期という事情も重なっていた。仕方ない面はあったかもしれないが、ユーザーから見た存在感は薄かっただろう。

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