ホンダはN-VANの月販目標を3000台としている。つまり、年間目標は3.6万台。新車効果に加えて、独自の商品特性を生かしてアクティ・バンやバモスの時代に比べて、大幅に販売を伸ばし、スズキやダイハツに肉薄したい考えだ。
ただ、ホンダの思惑通りに運ぶかといえば、不安な要素もある。理由は主に3つだ。
価格設定は?
まずは価格設定だ。販売のメインになるともいえるビジネス仕様の「N-VAN L ホンダセンシング」(車両本体価格134万1360円)で試算してみると、フロアマットやサイドバイザーなどのアクセサリーをまったく装着しない状態での支払総額は142万7480円となった。
N-VANと近い条件で、エブリイとハイゼットカーゴと比べてみよう。エブリイバンとハイゼットカーゴでは、車両本体価格をできるだけ近づけるため、それぞれNA(自然吸気)エンジンタイプでの最上級グレードで試算した。
エブリイはジョイン 2WD 4AT(車両本体価格119万6640円+レーダーブレーキサポートを含めたセットオプション4万3200円)で試算したところ、支払総額は133万7480円となった。ハイゼットカーゴはクルーズ“SAⅢ”2WD 4AT(車両本体価格124万2000円+CDプレーヤー付きAM/FMラジオ1万5962円)で試算したところ、支払総額は131万1142円となった。
同じ軽商用バンとはいえ、かなりキャラクターも異なるが、もともとのベースで7万~8万円ほどはN-VANのほうが支払額は多い。コストにシビアな法人からエブリイバンやハイゼットカーゴからの買い替えを促すハードルは高そうだ。ちなみに、N-VANとキャラクターの似ているハイゼット・キャディーで、装備内容や価格も近いX“SAⅢ”(車両本体価格135万5400円)の支払総額は139万2780円となるので、このあたりはN-VANもライバル研究はしっかりしているようである。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら