主な競合車の価格も見てみよう。
N-VANの価格帯は競合車と一部で重なるものの、やや高めの設定になっていることがうかがえる。特に「N-VAN +STYLE」は競合車よりも一段価格が高いので、趣味性の高い乗用車としてのニーズの取り込みもにらんでいるといえそうだ。
エンジンは現行N-BOXと共通
N-VANのエンジンは自然吸気(NA)とターボ(過給器付き)の2タイプ。各グレードともに前輪駆動(FF)と4WD(4輪駆動)が用意されるが、ターボが設定されるのは「+STYLE FUN」と「+STYLE COOL」だけだ。ターボ車はCVT(無段変速機)のみで、それ以外のグレードは6速MT(マニュアルトランスミッション=手動変速機)も選べる。エンジンは基本的に現行N-BOXと共通で性能は以下の通りだ。
いずれも従来のアクティやバモスに比べて加速性能、静粛性を高めつつ、燃費も向上した。複数のN-BOXユーザーが「特にターボは軽自動車で十分と感じさせる走行性能」と評するぐらいなので、N-VANの走りもそれに近いものになるだろう。静粛性は「ハンズフリーで会話ができるレベル」(開発担当の古舘氏)という。
N-VANはホンダの大ヒット軽自動車「N-BOX」のプラットフォームを活用しつつ、運転席以外のシートを床下へ座面ごと収納できる機構のほか、燃料タンクを前席の下に収めるセンタータンクレイアウトを採用。エンジンをボンネット内に置き、前輪を駆動するFF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式として荷室を低床化した。
併せて助手席側はボディの上下をつなぐピラーを廃止。ドアにピラーを入れる構造によって、助手席と後席のスライドドアを全開にすると幅1580×高さ1230mmの大開口部を実現した。助手席ピラーレスはダイハツ「タント」など軽乗用車で先行している構造だが、軽商用バンとしてはN-VANが初採用となる。