テスラの最新サプライズ「上海で年産50万台」 初の海外工場新設で生産能力は倍増へ
中国はしたたかだ。ワシントンとの貿易戦争が続いているにも関わらず、中国は世界中の自動車メーカーからの投資を勧誘するために強い力を行使し続けている。7月9日と10日には、ドイツの自動車メーカーが、中国メーカーと相次いで新たな契約を結んだ。
BMWは提携しているBrilliance Automotive (華晨汽車)グループ・ホールディングスとの合弁事業会社であるBMW Brilliance Automotiveにおける生産能力を増大させ、2019年には52万台のBMWブランドの自動車を生産することに同意した。
BMW Brilliance Automotiveが所有する2つの工場の生産能力は、初めてサウスカロライナ州のスパータンバーグにあるBMWアメリカ工場の生産能力を追い越すこととなる。中国がアメリカ製のモデルに新たに課した25%の関税を完全に負担することは不可能で、スパーンバーグで生産する自動車は値上げせざるを得ないと、先週BMWは発表したばかりだ。
一方、フォルクスワーゲンは、E-モビリティ、コネクテッドカー、自動運転車などのテクノロジーに関して、中国のFAW Group (中国第一汽車集団) と提携すると発表した。
株式保有の上限撤廃が背中を押した
テスラは、急成長を続ける中国の電気自動車市場における自らの立場を強化し、高い輸入関税を回避するために中国内に自社工場を建設する道を選んだ。
かつて、マスクCEOは以前、外国企業に対する中国の厳しすぎる自動車規制を批判していた。その規制のために、工場の株式のうち50パーセントを中国企業に譲渡する必要があった。ところが2022年までに、新エネルギー車(新能源車)に関しては、外国企業の株式保有上限を撤廃すると5月に中国が発表したことから、テスラは上海の新たな工場設立を登記したのである。
「上海の工場は確実に中国におけるテスラの立場をより良いものとすると同時に、テスラは中国で生産を行なって輸入関税を回避することもできる。テスラにとっては特に有利なことは、競争相手たちとは違って中国内に合弁企業を持っていないことにある(訳注:つまり、テスラは資本関係の見直しなどを行う必要はない)」とARK Investのターシャ・キーニー氏は述べた。
(取材、ブレンダ・ゴー)
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