テスラの最新サプライズ「上海で年産50万台」 初の海外工場新設で生産能力は倍増へ

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テスラの今年度の資金繰りはプラスとなるため資金調達は不要とマスクCEOは言っている。しかし、アナリストたちは、セミトラック、ビックアップトラック、コンパクトSUVなど一連の新製品を生産したり、新たなバッテリーと自動車の生産施設を建設したりするためには、資金調達が必要と見ている。

「遅くとも来年には新規資金が必要になる」と北ドイツ州立銀行アナリストであるフランク・シュウォペ氏は語った。

ここでカギになるのが、上海市政府による援助の意向だ。今回の声明において、上海市政府は資本コストの一部を援助する意思を示している。「上海市政府はテスラ工場建設を全面的に支援する」と述べているのだ。

なお上海工場建設によって現在も成長を続けているアメリカ国内での生産活動に影響を与えるものではない、とテスラは言明している。

関税問題を受けて中国内の工場が必要になった

中国は電気自動車の最大市場。2030年までに国内の自動車をすべて電気自動車にするという目的に向けて、中国政府は規制を強化していくはずなので、将来を予測する人々のほとんどは、中国での電気自動車販売は急激に加速していくと見ている。

昨年、中国では2800万台以上の自動車が販売された。そして2025年までには年間販売3500万台を越えると見込まれている。これは現在のアメリカ市場の2倍以上である。アメリカ市場では、新車売り上げが1年で約1700万台だ。

トランプ政権が中国製品に対しての報復関税を提案するはるか以前から、マスクCEOは中国に工場を建設したいと語っていた。中国は輸入車に対して25%の関税を課していたからだ。今後の市場成長を考えれば、それは当然である。これまでにも多くの自動車メーカーが現地生産の動きを強めてきている。

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