平岩アナがeスポーツ専門アナに転じたワケ eスポーツ実況に特化した事務所を設立
――そこで担当したタイトルは『Shadowverse』だったわけですが、『Shadowverse』自体は詳しかったのでしょうか。
平岩:『Shadowverse』自体は知っていましたし、スマホにダウンロードもしているのですが、実況をできるほどの知識はありませんでした。そこから猛勉強して『Shadowverse』の知識を得ました。
でも、ほかのスポーツ実況も、好きなスポーツ、得意なスポーツの実況を担当するわけではなく、野球であれ、サッカーであれ、勉強はしなくてはならないので、そこはeスポーツだからということはありません。
私が朝日放送に在籍していたときもいろいろなスポーツの実況をしていましたが、そのときにスポーツ実況を行うためのスキームというのを構築しました。このスキームにそれぞれのスポーツの知識が加われば、多くのスポーツ、eスポーツなら多くのタイトルに対応できるようになるわけです。それでも実況を担当するタイトルは、最低で100時間プレイすることを自分に課しています。
――では、平岩さんが好きな、得意なゲームのカテゴリーはどういったものでしょうか。
平岩:FPS(一人称視点のシューティングゲーム)が好きなので、プレイするのも実況するのも得意なほうですね。小学生の頃、北米に旅行に行くことがあり、そこで見た洋ゲー(海外製のゲーム)に魅せられてしまって、北米モデルのXboxを買ってもらったんです。それからは、洋ゲーばかりやっていました。eスポーツで言えば、『レインボーシックス シージ』も初代である『Tom Clancy’s レインボーシックス』から遊んでいたくらいです。ただ、周りのみんなは洋ゲーをやらなかったので、ゲームの話題としては浮いていましたね。大学のときに『コール オブ デューティ』シリーズをプレイしている友人を見て、逆に驚いたくらいです。
独立した理由
――朝日放送に残っていてもeスポーツの実況はできると思いますが、それでも朝日放送を辞め、独立した理由は何でしょうか。
平岩:テレビではやれないことも多く、制限が多いんです。簡単にSNSのアカウントも作れないですし、SNSの発言も言えることと言えないことの線引きが難しかったりします。企業絡みだと競合するメーカーの話ができないわけです。あと、テレビ局は大きな組織なので、どうしてもスピード感に乏しく、企画を通すのに時間がかかってしまいます。そもそもeスポーツ自体がテレビ局の中では、まだまだ認知度も、取り扱うネタとしての重要度も高くはないわけです。
――では、独立したことによって、できるようになったことは何でしょうか。
平岩:誰にでも会いに行けるようになったことですね。eスポーツ関連の人やゲームメーカー、プロゲーマーなど。先ほど言った、SNSの件や企画が成立する速度も段違いになっています。
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