親の成年後見人になった私が後悔している事 父の預金を解約するため制度を利用したが…

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成年後見制度の大きな落とし穴――それは、たとえ子どもが「自分が親の成年後見人になります!」と申し立てても、家庭裁判所が、不適任と判断すれば、専門職後見人(弁護士や司法書士など)が選ばれることです。幸いにして、子どもが後見人に選ばれたとしても、多くの場合、成年後見人を監督する成年後見監督人(弁護士や司法書士など)が付くことになります。私は、このパターンでした。「普通は、子どもが選任されるのでは?」と思うかもしれませんが、専門家に取材すると「最近は不正防止のため、専門職後見人が選ばれるほうが一般的になりつつあり、あなたのケースのほうが珍しい」とのことです。

誰が成年後見人に選任されるかは、面談時ではなく、1~2か月後に届く「審判書」に書かれています。「自分(子ども)が選任されないならば、この制度は使いません」「成年後見監督人は不要です」などの主張は、一切認められません。私の場合は、面談時に「この制度を使うか、姉と相談したいので、一度持ち帰ってもいいですか?」と聞きましたが「今、この時点で決めてください」と言われました。

専門職後見人や成年後見監督人の問題点

では、専門職後見人や成年後見監督人が付くと、何が問題なのか。もっとも大きいのは、年間24万円程度の報酬が発生するという点です。当然ですが、10年で240万円となります。

また専門職後見人が選任されてしまえば、たとえ家族であっても、後見を受ける親の財産のチェックができなくなります。親の財産はすべて専門職後見人の手に委ねられることになり、1か月に必要な費用だけが与えられる形になるのです。それ以外の費用は、いちいち「〇〇のためにお金が必要です」とお伺いを立てて、支払いを認めてもらわなければならなくなります。では、専門職後見人や成年後見監督人が性格の悪い人だったらどうなると思いますか? 結論から言えば、私たちは一切リコールできません。

成年後見制度では「自己決定権の尊重」「残存能力の活用」「ノーマライゼーション」の3つを基本理念に掲げています。簡単に言えば、本人に残っている意思や能力をできる限り活用し、その意思や能力を尊重していこうというものです。しかし、私が父の成年後見人になって痛感しているのは、家庭裁判所は、「本人の意思に基づくこと」であっても、一切認めてくれないという点です。

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