北朝鮮カルト政治を絶賛するトランプの末路

過去にも絶賛し心酔した政治家は多かった

トランプ大統領は北朝鮮の政治体制を絶賛してみせた(写真:REUTERS/Jonathan Ernst)

6月12日にシンガポールで北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談を終えたドナルド・トランプ米大統領は、米ABCテレビのニュースキャスター、ジョージ・ステファノプロス氏に対して北朝鮮の印象を次のように語った。「北朝鮮の国民は金正恩氏を愛している。国民は(正恩氏に対して)熱狂的だ。実に熱狂的だ」。そして、こう続けた。

「北朝鮮は一丸となるだろう。とても強い国になると思う。北朝鮮の国民はすごく勤勉だし、苦労をいとわない」

トランプ氏は私的な会話の中で北朝鮮の国営テレビを称賛していたとの報道もある。政権に近いFOXテレビの朝のトーク番組「フォックス&フレンズ」に出演したときは、「(正恩氏の)言葉を北朝鮮の人々は直立不動の姿勢で拝聴している。米国民もこうであってほしい」と発言していた。

冷戦期の独裁者は北朝鮮を絶賛していた

本記事はNK News(北朝鮮ニュース)の翻訳記事です

筆者の専門は歴史学で、博士論文では「第三世界」の政府(その多くが独裁者に率いられていた)がいかに北朝鮮の統治スタイルに魅了されてきたかを扱った。トランプ氏の発言を聞いたとき、筆者の脳裏に自然と浮かんできたのは冷戦期に北朝鮮を絶賛していた独裁者たちの言葉だ。

実際、トランプ氏の北朝鮮に対する評価は、多くの点においてルーマニアのニコラエ・チャウシェスク元大統領、ジンバブエのロバート・ムガベ前大統領、カンボジアのポル・ポト元首相といった暴君たちのそれに匹敵するか、それをも上回っているようにみえる。

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