北朝鮮カルト政治を絶賛するトランプの末路 過去にも絶賛し心酔した政治家は多かった
北朝鮮の政治体制を称賛してきた問題人物は、チャウシェスク氏やムガベ氏のほかにも多数存在する。カンボジアで大量虐殺による恐怖政治を繰り広げたポル・ポト元首相も、北朝鮮の自主独立路線を称揚していた。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がイデオロギー面で指南を仰ぐ極右の大物思想家、アレクサンドル・ドゥーギン氏はあるインタビューでこう語っている。「チュチェ思想は、グローバリゼーションの思想に何ら劣るものではない」
ドゥーギン氏はこうも述べている。「ロシアは北朝鮮にもっと学ばなくてはならない。例えば、祖国を偉大だと考える心を持つ、といったようなことだ」。
トランプ氏が平壌を訪問すると・・・
米国でネオナチ団体「伝統主義労働者党(TWP)」を率いるマシュー・ハインバック氏は2017年1月、北朝鮮ニュース編集部に対してこう語っている。「イラクやアフガニスタン、エジプト、リビアといった国が国際主義者によって次々と『体制転覆』させられる中、北朝鮮はまだ自由と独立を保っている」。
トランプ氏は北朝鮮の政治体制を称賛したことで、このように悪名高き共産主義国の暴君、第三世界の独裁者、ネオナチたちの仲間入りを果たしたことになる。
しかも、トランプ氏が平壌を訪問することにでもなれば、北朝鮮に対する憧憬は一気に膨らみかねない。金正恩氏への個人崇拝を現地で目の当たりにしたトランプ氏は、こうしたカルト政治に間違いなく感銘を受けるはずだ。そして、それと同じものを米ワシントンでも欲しがるだろう。急速に改善する米朝関係がまだこのようなレベルに達していない点が、せめてもの救いだ。
(文:ベンジャミン・ヤング)
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