「在韓米軍の撤退」が現実的とはいえない理由 朝鮮国連軍の解体のみ行われる可能性が高い

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縮小

そのうえで、ニューシャム上席研究員「演習は簡単に再開できる。仮に『名前付きの演習』が一時的に中断されても、通常の訓練が継続されることが必要だ。適切に構成されて実施される『定期』訓練こそが、米軍と韓国軍に戦闘能力を維持できるようにする。これこそが重要だ。仮にこの『定期』訓練が縮小されれば、米韓同盟の能力が著しく低下させるだろう。注視すべきはこの点だ。『名前付きの演習』の中止よりも大事なことだ」と述べた。

昨年8月に11日間にわたって実施されたウルチ・フリーダム・ガーディアンには、米軍から約1万7500人、韓国軍から約5万人が参加した。さらに朝鮮国連軍のメンバー国であるオーストラリア、イギリス、カナダ、コロンビアなどの国々も参加した。

米韓合同軍事演習には、このほかに今年春にも実施された「キー・リゾルブ」と「フォールイーグル」がある。戦車や軍用機、軍艦などを用いた実弾演習が含まれ、米軍約1万人と韓国軍約20万人が参加している。これらの演習は通常、3月に始まるが、今年は平昌五輪が2月にあった影響で開始が遅れた。

北朝鮮側は、これらの米韓合同軍事演習を「侵略のリハーサル」とみなし、つねに激しく反発してきた。

北朝鮮は毎年夏のウルチ・フリーダム・ガーディアンに対しても、軍事力を誇示し、好戦的な態度を示してきた。昨年8月の演習中には、北海道上空を通過させる中距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験を強行した。北朝鮮国営メディアは、米韓の合同演習に対し、力の誇示を目的とした対抗手段だと述べた。

在韓米軍の行方

トランプ大統領が6月12日の米朝首脳会談後の記者会見で、約2万8500人に及ぶ在韓米軍の将来的な縮小や撤退問題を示唆したことで、日米韓の軍事防衛当局を中心に動揺が広がっている。

「アメリカファースト」を掲げるトランプ氏は米国の負担軽減を目指し、在韓米軍の縮小削減を大統領選挙中から訴えてきた。

記者会見でも「(今回は)考慮すべき事柄の一部ではない」と言いつつも、在韓米軍の兵士たちを母国に帰国させたいと何度も述べた。

米国は現在、韓国と来年からの新たな在韓米軍駐留経費負担(思いやり予算)をめぐる協議を進めている。このため、トランプ大統領は、これまでも通商問題と絡めて韓国に防衛費負担を迫ってきたように、今回も在韓米軍の削減や撤退を一種のブラフ(ハッタリ)として突き付けながら、韓国に新たな防衛負担を求めている可能性がある。

その証拠に、トランプ大統領は不満たらたらの米韓合同演習の費用について、6月12日の記者会見で「韓国は貢献している。しかし、100%ではない。これこそ、われわれが韓国と話さなくてはいけない問題だ。軍事費と貿易とは関連している」と述べている。

軍事専門家の間では、在韓米軍が撤退することは現実的ではないとの見方が根強い。

前述のニューシャム上席研究員は「それこそ、最も無分別で愚かなである」と批判。「在韓米軍は長年、朝鮮半島のみならず、北東アジアで(平和)安定化部隊として貢献してきた。在韓米軍は北朝鮮を抑止し、韓国を支援してきた。日本も朝鮮半島に米軍が駐留することでハッピーだった。米軍が撤退すれば、中国が喜ぶだろう。米軍が縮小撤退すれば、米国の朝鮮半島での利益が減退する。地域全体が不安定化し、連鎖的な悪影響が出てくるだろう」と述べた。

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