女性が「35歳からの自分」を受け入れるヒント 大草直子さんが語る「選択と決断」

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わが家は基本的には親が主体で、子どもが大人に合わせるという家庭なので、子どもに合わせてファミリーレストランというより、ワインが飲みたいからトラットリアに行くという場合も少なくありません。

では、トラットリアにどういう洋服で行くか、そこにはいったいどんな服装の人たちが来ているか想像してみて、と話し合うようにしています。真ん中の12歳の男の子が「サッカーのユニフォームで行きたい」と言ったときには、サーブしてくれる人はどんな格好をしているのか、ほかのお客さんたちはどんな洋服を着ているのか、説明しました。

私、家にいるときは適当な服を着ていてもいいと思うんです。でも、外出するときには、その場に合ったものを自分で選び、着ていける人であってほしいと思っています。

将来、おしゃれになってほしいということではなくて、着る服によってどういうプレゼンテーションになるのか、お会いする人と釣り合っているのか、ということを子どもにも教えていくということですね。

30代半ばからのファッションルール

――年齢的に着る服に悩むことが増えてきましたが、歳を重ねたからこそのコツやルールはあるのでしょうか。

年齢を重ねて、体型が変わってくるのは仕方ないこと。出産の有無や男女にかかわらず、誰でも平等に歳を重ねていくものですから。女性であれば、背中にうっすら肉がつき、肩は丸くなり、胸の位置もお尻の位置も下がってくるし、お腹周りの肉が取れなくなってきます。

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それは身体の変化なので、そんな自分がどうしても嫌な人は、1日も早くエクササイズを頑張るべき。それでも限界はあると思いますが、しないよりはずっと良く見えます。

ただ、張り切ってエクササイズすることが良いわけではなくて、体つきが甘くなって少しフレンドリーに見えるかも?とか、肩周りが柔らかくなってかわいらしくなったかも?と前向きに思うことも大切です。

歳を重ねたほうが魅力的だなんて言うつもりはまったくないし、若いときの自分たちと競うつもりもありません。ただ、きらびやかな洋服ではなくていいのだけれど、自信を持って選んだ服で日々を生きること。季節の変化を楽しむのと同じように、自分の変化を前向きに受け入れていくことが大切だと思います。

そのうえで、いくつか気をつけるべきポイントを押さえながら、今の自分の体型に合うものを選んでいくことが、30代半ばからのスタイリングの基本だと思っています。

 

“選択と決断”を肝に銘じながら、年相応の洋服をどうやって選んでいくか。次回はこの10年間で大草直子さんがたどり着いた5つの法則を公開します。
藤村 美里 TVディレクター、ライター

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ふじむら みさと / Misato Fujimura

都立国分寺高校、早稲田大学卒業後、テレビ局入社。報道情報番組やドキュメンタリー番組でディレクターを務める。2008年に女児出産後、視点が180度変わり、児童虐待・保育問題・周産期医療・不妊医療などを母親の視点で取材。2013年に退社し、海外と東京を往復しながらフリーで仕事を続けている。Twitter @MisatoFujimura 

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